和美ちゃんスクールライフ

和美ちゃん 25話

作:kagerou6

 

 

「和美、志乃おはよう♪」学校の門のところでいつものように声がかかる。
振り返ると佳子と亜紀が手を振りながら小走りに走ってくる(笑)
「おはよぉ、今日は早いねぇ」立ち止まってそう言うぼくの前に二人は来ると、息を弾ませながら
「今日は宿題の提出日でしょ♪」
「そう、だから和美ちゃんに見て欲しいのよ♪」
「ぼくに?・・・なにをさ?」
「見てじゃなくて、”見せて”でしょうが♪」それを聞いていて横から口を挟む志乃(爆)
「いやぁん♪、志乃ちゃんそんなこと言わないでぇ♪」佳子がそう言うと志乃は笑いを堪えていた。

「ふぅ〜ん、今朝そんな事あったんだぁ」教室に向かう途中で、駅のことを二人に言うと佳子はそう言って何かを考えている風であった。
「だいたい、パン食べていたくらいでそんな事言うんだもん、あのままだったら何言い出すか・・・あそこで会って良かったかもね」
「でも、それだけじゃないんじゃないの?」亜紀はそう言ってぼくの髪を指差していた。
「なにか変?」
「この三つ編みいつものじゃないでしょ?・・・」目ざとくそう言う亜紀。
「そ、これあたしの♪」そう言って志乃は笑う。
「つまり、駅でぼさぼさの髪だったと・・・そういった”だらしない”ところも原因なんでしょうね」
「だらしないってほどでもないと思うけどなぁ」ぼくはそう言いながら自分のスカートとかブレザーに目を落とす。
「判ってないなぁ」指を振りながら亜紀はぼくの事を見つめ
「美秀ちゃんにとっては”普通レベル”だとだめだったの・・・和美はお茶をたしなむ”お嬢様”なんだから♪」亜紀はそう言って笑っていた。

「でもさ、和美のことそんな風に思っていて・・・その1回で諦められるのかなぁ?」佳子は泡立てを手で遊びながらそんな事を言っていた。
「そうよね、あれほど和美に引っ付いていたんだもんね」亜紀まで手を止めそう言っている。
「さぁ、でも和美の事そこまで思っていた分反動大きいから来ないとも思えるんじゃないの」志乃は二人とは逆にそんな事を言ってぼくの事を見ている。
「どうかなぁ・・・普通だと思ってくれれば来ても良いんだけどなぁ美秀ちゃん・・・」
「へぇ和美もそんな事言うんだ♪」佳子はそう言いながらぼくの事を見てにやりと笑っている。
「あ、だってさ・・・それが無かったら別に普通な娘だし・・・」
「まぁ、和美に憧れるのは良くある事だしねぇ」亜紀もそう言って頷いている。
「あぁだれかあたしにそんな事言ってくれないかなぁ」話を聞いていた佳子がそう呟くと
「「「無理ね♪」」」ぼく達3人は声をそろえて佳子に答えていた♪

 

「ねぇ、駅の近くにある公園で桜がそろそろ見頃なんだって」お昼ご飯を食べながら佳子はそう言って廻りのぼく達を見ていた。
「もうすぐ試験とか色々あって大変じゃない?・・・だから、週末はお花見でもしようよ」
「お花見かぁ・・・そういえば、去年してなかったね」ぼくはパンを置いてそう言うと、佳子も頷いている。
「和美が転校してきたとき、歓迎会して無いでしょう?・・・それが心残りでさ」
「あれ?・・・歓迎会ってやるものなの?」
「やるわきゃないって♪・・・佳子はお祭り好きだからそう言っているだけなのよ」亜紀はそう言って佳子を見ると憮然とした顔になっている。
「人の事そんな風にいうかなぁきみはぁ?」
「だってそうじゃないよ♪・・・町内はもちろん、聞いたお祭り全部制覇しているじゃない♪」亜紀はそう言って笑っている。
なにせ小学校からの付き合いの亜紀、佳子の行動は事細かく知っているのである(笑)
「小学校の地区のお祭りでしょ・・・あ、たしか4年生のときはおばさんが迷子になったとか大騒ぎして・・・」
「そ、そんな大昔の事言うんじゃない!」慌てて亜紀の口を押さえようとする佳子♪
「あはは、佳子ってお祭り好きなんだぁ」
「駅のとこの公園なら帰り道だしさ、どれくらい咲いているのか帰りに見てみようよ」志乃はじゃれている二人を無視してぼくにそう聞いてきた。

 

「へぇ・・・かなり咲いているねぇ♪」ぼくは桜の樹を見上げながらそう言い、かなり咲いている桜に見とれていた。
「今日でも良いくらいだね・・・この様子だと日曜混みそうだね」
「うーん、でも学校の帰りじゃまだ寒いじゃない?・・・やっぱりお昼とかが良いよ」
「そだね・・・お店も出るだろうからのんびり出来そうだしね」志乃はそう言って笑っている。
「じゃあ今度の日曜で決まりね」佳子は話を聞いていてそう言う。
「そだね・・・日曜にでも来ようか」ぼくがそう言うと佳子は万点の笑みを見せていた。
「でもさ、いきなり”お花見”な訳?」ぼくは桜を見ながらその事を思い出し、佳子にそう聞いていた。
「え?」
「まぁ、確かにこの後は色々あるだろうし・・・試験とか・・・でも佳子?なんでお花見なの?」志乃も気になっていたらしくそう佳子に聞くと、佳子は顔をちょっと引きつっている(爆)
「顔に出るんだから♪・・・白状なさい!」亜紀がここぞとばかりに佳子に襲い掛かり(爆)一気に制圧していた(ウソ♪)
「あのさ・・・うちの知り合いがそこの委員長で・・・」佳子は諦めたのか、公園の奥のほうを指差しながらぼそぼそ話し始めた。
「委員長?・・・あ、祭りか何かの?」ぼくがそう聞くと佳子は頷きながら
「街の役員なんだって」と答えた。
「その知り合いさんが・・・なにか言っていたのね?」志乃は話の内容からそう口にすると、佳子も頭を抱えながら頷いた。
「なにかイベントして人を集めようと・・しているみたいで・・・」
「イベント?」ぼくは”その言葉”に佳子が言いにくいなにかを感じてそう口にしてみた。
佳子はその事に何かを知っているようでビクって体を震わせる!
「佳子ちゃん・・・そういえば、入り口になにか貼ってあったよねぇ?」ぼくが佳子を見ながらそう言うと更に体をびくびくさせている(爆)
「言ってくれないんだ・・・じゃあ日曜は取りやめ・・・」「わーん和美!お慈悲ですだぁ・・・・」佳子はそう言いながらぼくに抱きついてきた。

 

「「「はぁぁぁぁ」」」ぼく達は桜を前にして、”受付”に名前を書いていた。
「2時からだって」ぼくは書き終わって案内の紙を見てそう言うと、亜紀たちも力無く頷いて答えていた。
「佳子にあとでパルフェで奢らせてやるんだから!」「チョコパとコーラかなあたしは」そう言いながら佳子を睨んでいる二人。
「あたしだって好きでやったんじゃないんだってば」
「そうは言っても佳子が言わなかったら良かったんだもん・・・責任取るべきだよ」
「そんなぁ(泣)」佳子はそう言いながら”桜娘コンテスト”(お約束♪)の受け付けて嘆きまくっていた。

「開始まで時間あるからちょっと他を見に行ってみない?」
「でも、時間あるっていっても1時間程度でしょ?・・・だったらそうは見られないよ?」志乃は時計を見ながらそう呟く。
「そか、じゃあそのあたりちょっと散歩でもしてようかな」ぼくは奥のほうの池を見ながらそう言うと
「あ、あたしはちょっとね・・・」亜紀はそう言ってどこかに行ってしまった。
「亜紀はなにか目的あったのか・・・志乃と佳子は?」
「あたしはここにいるよ・・・終わってから楽しみたいしね」「あたしは知り合いのところ見てこないと・・・」二人はそう言っていた。
「じゃあ時間までには戻るから」ぼくはそう言って池のほうに足を向けた。

暖かな日曜日だけあって公園には人がいっぱい来ていた。
家族で来ていて子供と遊んでいるのを良く見かけるのだ。
恋人同士なのかベンチに座ってくつろいでいるカップルもいる。
「あ〜あぁ、一人でいるものちょっと寂しいかなぁ・・・」なんとなく幸せを当てられ(爆)そんな気持ちになってしまっていた。
「お姉ちゃん♪」そう言ってぼくのスカートが引っ張られた!
「え?」驚いて振り返ると、佐藤のお兄さん夫婦がこっちを見て微笑んでいる。
そう、奈美ちゃんがぼくを見つけてスカートを引っ張っていたのだ。
「こんにちは」しゃがんでそう言うと同じように答える奈美ちゃん。
「和美さん・・・今日はここでお花見?」そう奥さんの静香さんが言う。
「ちょっと・・・色々あって・・・」佳子の差し金で桜娘に出る事をあまり言いたくないので、誤魔化して答えるぼく。
「そっかぁ・・・時間があったら一緒のお花見しようと思ったんだけど・・・」大きな重箱を取り出しながらそう言うお兄さん。
「えーと・・・1時間程度は大丈夫です・・・」
「1時間?・・・それって・・・」顔にしわを寄せながら何かを考えている静香さん。
・・・あ、ちょっとヤバイかなぁ・・・考えている彼女になんとなく嫌な予感を感じていた。
「あぁ・・・桜娘ね♪・・・恒例の♪」そう言ってじっとぼくを見つめる彼女に頷くしかなかった。

「そうだよねぇ・・・和美さんなら問題無いわねぇ・・・」そう言いながら一人納得している彼女。
「ねぇアナタ・・・和美さんのコンテストが終わってから一緒にお花見しましょうよ」
「それは良いけど・・・なんでだ?」
「だってほら・・・(ボソボソボソ)・・・じゃない♪」
「あはは・・・確かに後で恨まれたくないなぁ♪」お兄さんもそう言ってぼくを見ている。
「え?」二人の言っている事の判らないぼくはそのまま二人を見ていた。

「もう時間だ」ぼくは奈美ちゃんと遊びながら鳴り出した時計のアラームを聞いて慌てた。
「お姉ちゃん・・・どしたの?」きょとんとしてぼくを見つめる奈美ちゃん。
「あ・・・ちょっと・・・」奈美ちゃんの手を離して行こうとすると、ぎゃくに手を握ってくる奈美ちゃん。
「あ・・・奈美ちゃんちょっとお姉ちゃん・・・」そう言って離そうとしてみるけど離そうとしない!
その上、その瞳に涙まで浮かべ出す始末。
「困っちゃったなぁ・・・」ぼくは時計を見ながらそんな事を呟いていた。

「和美さん・・・奈美も連れていったら♪」いきなりそう言い出す静香さん!
「え?」驚いて彼女を見ると
「コンテスト・・・参加資格って子供じゃだめって訳でもないでしょ?」
「多分そうだと思いますけど・・・」
「だってお姉ちゃんと一緒にいたいんだもん・・・そうでしょ奈美♪」静香さんがそう言うとコクンと頷く。
「というわけだから宜しくね♪」そう言って静香さんは微笑んでいた。

「「「どうしたのその娘?」」」受付に行くと3人は奈美ちゃんを見て驚いている(当然か?)
「えっと、知り合いの子供なんだ・・・」そう言っていると奈美ちゃんはぼくの後に隠れながら小さく頷いている。
「かわいいね・・・で、知り合いって?」
「エリーの事でお世話になったでしょ?・・・佐藤君のお姉さんの子供なんだ・・・」
「へぇ・・・佐藤君のお姉さんの・・・」佳子も亜紀もあのときのことを思い出しながら奈美ちゃんを見ている。
「で・・・お名前は?」志乃はしゃがんで奈美ちゃんに目を合わせながらそう聞く。
突然の事にきょろきょろしてぼくを見上げてくる奈美ちゃん。
「お姉さんにお名前おしえてね♪」ぼくも一緒にしゃがんでそう言うと
「佐藤・・奈美です・・・」小さな声でそう言った。
「奈美ちゃんね・・・かわいい♪」佳子はそう言って抱きしめていた!

コンテストが始まって参加者がステージに上がっていく。
こういったコンテストを目当てにしている人がステージを取り囲んでいて盛んに写真を撮っている。
参加している殆どがこういった事に慣れているのか、写真を撮られていてもあまり顔色を変えないでいる。
いや、むしろアピールしているのが多いのである!
「あちゃ〜・・・あんな人がいるんだったら参加する必要なかったんじゃぁ」
「あたしも想像できなかったわ・・・まったく後で文句言っておこ!」佳子も盛り上がっているステージを見ながらそう言っているのである。
「次・・・斉藤和美さん・・・と、佐藤奈美さん?」順番を見ていた人がそう言って首を傾げているのだ。
「あ、この娘小さいから一緒にってお願いしたんです」ぼくが奈美ちゃんの手を取ってそう言うと、案内役も驚いているようだ。
さすがに二人で出るなんて事は無かったらしく、慌てて確認に行っている。
「お祭りだから・・・良いじゃないねぇ」佳子はそう言って奈美ちゃんのほっぺをつんつんしている(笑)
「だよねぇ・・・もし一人だけっていうならぼくは保護者で奈美ちゃんと出るからねぇ」
「だめ!・・・あたしが奈美ちゃんの保護者」そう言って亜紀まで奈美ちゃんをみているのだ。
「だってぼくが預かって・・・」「だめ!・・・知り合いだもん、あたしにだって権利あるんだから」
「そうよ、和美ばっかりずるいよ」佳子も亜紀も譲りそうにない様子。
そんなぼく達のことなんか判らない奈美ちゃんは、廻りにいっぱい人がいることが嬉しいらしく笑っていた(笑)

「あのやっぱり一人ずつって言うらしいのですけど・・・」案内の人は戻ってくるとそう言ってぼく達を見渡している。
「小さい子供の参加は構わないというのですけど、混乱してしまうので・・・」
「判りました・・・ぼくが一緒に保護者で・・・」「だめ!あたしが行くの」「「あたしだって!!」」
話を聞いていたぼく達はお互い奈美ちゃんの保護者になるべく譲らなかったりしている(爆)
「お、おねえちゃん・・・たち・・・」それを見ていた奈美ちゃんはぼそぼそと何かを言い始めた。
「あ、奈美ちゃんなーに?」ぼくがしゃがんで奈美ちゃんにそう言うと
「ケンカだめなの・・・ね!」大きな目で見つめながらそう言う奈美ちゃん!
それを見ていて急になんだか恥ずかしくなってしまった。

「「「「はぁ・・・・」」」」さっきまでの言い争いの反動か力の入らないぼく達。
「とりあえず、和美と行きなよ」佳子はそう言ってぼくの背中を押している。
「え、だって佳子も・・・」
「あたしは良いよ・・・さっき知り合ったばかりだし・・・」
「そう・・・この後一緒にいれば良いじゃない・・・ここは譲るわ」
「亜紀まで・・・そんな事・・・」
悩んでいるぼくの手を取ると奈美ちゃんは3人を真ん中まで引っ張っていく。
「「「「え?」」」」驚いているぼく達に
「一緒に行こ♪」そう言ってステージに向かって歩き出していた。

現役女子高生4人の推薦と、その万人を魅了する笑顔で(お約束のごとく(笑))奈美ちゃんは桜娘に輝いた。
苦情を言いたそうな娘もいたけど、相手が少女では観客全部を敵に回すことに気づいたのか何も言わなかった。
ただ、保護者のぼく達を恨めしそうに睨んではいたけれど・・・
大きな拍手の中奈美ちゃんはきょとんとしていたけど、その屈託の無い笑顔が変わる事は無かった。
「「「奈美ちゃんおめでとう」」」・・・そう言われても何の事かわからないのだから(笑)

「いやぁまさか奈美が・・・」いつのまにか来ていた佐藤がそう言って降りてきた奈美ちゃんを抱えあげていた。
「あれ?・・・佐藤君さっきいなかったよね?」不意に現れた佐藤にそう言うと
「兄貴に呼ばれたんだよ・・・”面白いものが見られるから”って」
「え?」佐藤の言葉に驚いてお兄さん夫婦を見ると、どことなく視線をずらしているではないか!
「油断ならないなぁ・・・佐藤君のお兄さん達は・・・」
「え?・・・なんでさ・・・奈美が出るからじゃないのか?」佐藤のその言葉に佳子達は大笑いしていた!
「え?・・・僕なにかおかしいこと言ったか?」
「な、何でも無いよ・・・さぁお花見しよ♪」
ぼくはそう言って佐藤の手を取ると確保してある場所に向かって歩き始めた。

 

26話に続く


どうも、mk8426です。久々に(?)「和美ちゃん」でございます。
どうやら嵐は去った・・・のかな?
と思ったら、これだ(笑)。でも今回の主役は奈美ちゃんなのでした♪
子どもには勝てませんって。でもまぁ、反則っちゃ反則かもね。

2004.11.03  mk8426

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