和美ちゃんスクールライフ
和美ちゃん 24話
作:kagerou6
「せんぱ〜い♪」
移動教室の途中、ぼくは背中に掛かる声にギクリとして立ち止まってしまった。
「先輩、今日は来てくださるんですよね?」美秀ちゃんはそう言いながらぼくに追い付くと、息をハァハァさせながらそう聞いて来る。
「えっとぉ・・・今日はそのぉ・・・」逃げ腰になりながらぼくはそう言っていると
「あたしのこと嫌いなんですかぁ」そう言ってじっとぼくの事を見つめている(爆)
「き、嫌いとかじゃんななないんんんんだけどぉ・・・・」焦ってしまって美秀ちゃんを見られないぼく。
「あああたししししもじゅじゅ受験の事でが忙しくくくって・・・」
「あれぇ?・・・先輩、聞いた話だと講習とかはまだ無いって・・・」
「こここ講習だけがべ勉強じゃないんだから・・・」
「先輩、そう言って昨日も来てくれなかった・・・」ジトっとした目でぼくの見つめてくる彼女。
「だだだだからぁぁぁぁ」ぼくはそう言われて返事を返す事が出来ないでいた。
「もう、お昼の時間なくなっちゃったよぉ」教室の帰って時計を見ると、午後の授業が始まるのに後少ししかない。
「ちぇ、もう食べられないかな・・・」
「ホイ♪・・・牛乳で我慢しなね」佳子はそう言って牛乳をぼくに差出してくれた。
「佳子アリガト♪」ストローを刺して飲むぼく。
「まったく、あの娘にも困ったものねぇ」佳子はそう言いながら楽しそうにぼくの事を見ている。
「・・・まったく・・・ご飯くらい食べさせて欲しいよね」ぼくは牛乳を飲みながら愚痴をこぼすと
「ふーん、ご飯以外なら来てもいいの?」亜紀はそう突っ込みをいれて来る(笑)
「もぅ、変な事言わないでよ・・・ホントに来たら困るんだからね」
「ゴメン・・・でも、早く飲まないと先生来ちゃうわよ?」亜紀は時計を指差しながらそう言って、ぼくは慌てて牛乳を飲み干した。
「美秀ちゃん、なんとかならないかなぁ」ぼくは授業が終わっていつものメンバーに話していた。
「どういう事?」佳子は興味があったらしく聞き返してくる。
「どうもぼくの事、”お嬢様”とかと思いこんでいるから、普段の様子見せれば諦めると思うんだ」
「そんなのだめよ・・・可哀想な事考えないの」
「そうよ、その娘、可哀想だぞ」佳子と亜紀が責めるような目でぼくの事を見つめている。
「なんでさ?特別な事しようというんじゃなくて・・・」
「ダメだって・・・”憧れの人”なんだからそんな事ダメだよ」
「そ、そんなの美秀ちゃんが勝手に思っているだけで・・・」
「普段のあたし達といる和美を知っているのなら問題ないの。でもね、おさげで眼鏡の和美しか知らないんでしょ?・・・学校来なくなっちゃうかも」
「そ、そんな事いってもさ・・・」
「まぁまぁ、遅かれ普段の事はばれるんだしこっちからそれを言う事もないと思うよ」志乃がそう言っていた。
「そうよ、もうちょっとは遊べるし・・・」志乃の話に佳子はぽつりと漏らしていた。
「?・・・遊べるってなにさ?」じっと佳子を見ながら聞き返すぼく。
「あ、えーと・・・気のせいよ♪」
「ふーん、気のせいか・・・そうなんだ」ぼくがちょっと強めに言い返しながら、机から次の時間のノートなんかを取り出してみる(笑)
「じゃあ、ノートでも持って保健室にでも行っちゃおうかなぁ♪」そう言うと二人の顔から血の気が引いてくるのが判った。
「あれぇ♪どうかしたのぉ♪」そう言いながら立ち上がるぼくを、ヒッシと捕まえる二人(爆)
「なにか言う事は?」
「「私が悪うございました(泣)」」
「判れば宜しい」ぼくはノートを机において椅子に座った。
「夕ご飯まで持つかなぁ」校庭を歩きながらそんな事を口にしているぼく。
「帰りにマ○クとか寄っていく?」志乃はそう言って鞄から何かを取り出した。
「春の新メニューなんだって♪・・・新しいの出たらしいのよ」そう言ってチラシを広げた。
「へぇ・・・これが新しいのなんだぁ」
「あ、このバーガー美味しそう♪」
「あ、それよかこのシェイクとか良いんじゃないの?」
「う〜ん、これは悩みますねぇ」
「なにいってんの、どうせ一通り頼むくせに♪」亜紀が佳子の悩んでいるのにそう言って突っ込む(爆)
「ちょっとぉ・・・あたしそんなに大食いじゃないわよ?」
「だれも一回で頼むなんて言ってないわよ♪」
「うぐ」佳子は亜紀に言い返せずにいた・・・この勝負亜紀の勝ち(笑)
「じゃあ、駅前のマ○クに・・・」ぼくが皆にそう言うと
「そんなの先輩らしくないです!」と、大声で否定されてしまった!
「「「え?」」」突然の叫び声に皆で声のするほうに目を向けると、美穂ちゃんがじっとこっちを見ていた。
「・・・どうして?・・・」余りの突然の叫び声にぼくはやっと聞き返す事しか出来なかった。
「先輩がそんなの食べるなんて・・・」
「ぼぼくだって、バーガーくらいは食べるよ」
「だってそんな庶民的なのあわないですぅ」彼女はそう言うと走っていってしまった(爆)
「なんなのあの娘?」さすがの佳子も唖然として彼女をそう言っていた。
「さぁ」ぼくは佳子の言葉になにも答える事は出来ないでいた。
「そんなの食べないでぇ」
コンビニのポテトをつまんでいるとどこからともなく現れてそう叫んでいく彼女。
「そんなの飲まないでぇ」
100円ショップで買った安売り2缶100円のジュースを飲んでいると彼女はやってきてそんな事を言って飲みかけのジュースを持って消えた。
「そんなの読まないでぇ」
本屋で出たばかりの週刊誌を取って佳子達と話をしていると、どこからともなく現れそう言って泣きながら本を奪い取ってレジに消えた。
「そんなの買わないでぇ」
デパートの特売1枚598円(笑)のTシャツを持っていると、どこからともなく現れてTシャツを奪って買っていった。
「なんなんだぁ・・・あの娘はぁ・・・」毎日の様にやってきては、している事を邪魔して消え去っているあの娘の事を考えると、つい愚痴が沸き起こってきてしまう。
「和美が部活に出ないからかまって欲しいんじゃないの?」亜紀はそう言ってぼくの事を笑っている。
「そんな事ないよ・・・だったら”こんなとこにいないで一緒にしましょ”って言うんじゃないかな・・・」
「確かに言われてみればそうよね?」
「でしょ?・・・まったく何を考えているのか・・・」
「今時さ、バーガーとかポテト食べた事ない人なんていないのにね」亜紀はそう言って手を広げ、もう対処しようのない娘だと言いたいようなのだ。
「あの娘の理想とかはどうなんだろうね?」話を聞きながら佳子はそう言って皆に聞いていた。
「うーん、どうも純和風なお嬢様って感じじゃないの?(笑)」志乃は考えながら佳子に答えると
「なにそれ♪」聞いていた佳子は吹き出してしまった(爆)
「だってさ、ジャンクフードダメ、安売りだめ・・・良いのは茶道・・・だけでしょ?」そう言ってぼくの事をじっと見つめている。
「ふむ・・・深窓の令嬢ってことなのね」志乃の話を聞いて、亜紀も佳子もぼくの事をじっと見つめてくるのだ。
「そ、そんなのはさ・・・今の日本じゃ記念物だってばねぇ」慌てて言うぼくに3人は頷いて
「まぁ、和美がどこかのお嬢様ならあの娘の理想なんだろうけど♪」
「そうね、あの晶先生の妹だもの・・・お嬢様っいうのはねぇ」
「「「無理があるものねぇ♪」」」三人は声を揃えてそう言い切っていた(爆)
・・・お嬢様じゃなかったら”あっている”のかも知れないけどねぇ・・・さすがにぼくはそうは言えないまま、皆と別れた。
「ホントになんとかならないかなぁ」ぼくはマンションのドアを開けながら独り言を言っていると、洗濯をしていたのかお義姉さんがカゴを持ちながら
「なにかあったの?」と、聞いてきた。
「あれ?・・・こんな時間にお洗濯?」
「えぇ、ちょっと用事があって出来なかったのよ」小さくため息を付きながらお義姉さんは言う。
「そうなんだ・・・じゃあ、ご飯も?」
「今帰ってきて洗濯はじめたばかりで、ご飯まだなの・・・」
「そう、じゃあ買い物は?・・・まだなら行って来るけど?」
「あ、和風サラダと肉じゃがにしようと思って、買い物はしてあるのよ」
「それなら出来るからぼくが作るよ」そう言ってぼくは部屋に入って着替えると台所で包丁を掴んだ。
「・・・でね、その娘そんな事言ってぼくのポテト取っちゃうんだよ」出来あがった肉じゃがを置きながら、ぼくはお義姉さんに彼女の事を話していた。
「ふーん、随分和美さんの事気にいっているようね♪」すこし笑いながらお義姉さんはご飯をよそっていた。
「でもさ、人のもの取るなんて随分じゃない?」
「まあね、ちょっとやりすぎだけど・・・でもね」そう言ってぼくの事を見つめると
「それだけ、和美さんの事”理想の人”と思っていると思うわ」
「そんな理想なんて迷惑だと思うけどなぁ」
「そうね、でも彼女からしたらそれほど魅力的なのよ、”貴女”は♪」
「あははは」ぼくはお義姉さんの言葉にただ笑うしか出来ないでいた。
「理想的で魅力的・・・か・・・」学校に向かう電車に揺られながら昨日お義姉さんの言っていた事を思い出しているぼく。
・・・彼女を騙しているんだよなぁ・・・彼女が何を見てそう思っているのかは判らないけど、実際には”お姉さん”なんかではないのだから。
・・・今時そんな娘いたらぼくだって会ってみたいけどさ・・・小さくため息を付きながらぼくは電車を下り、キ○スクに向かった。
今日は姉も一緒にお義姉さんと朝早くから出かけてしまい、ぼくは寝坊し慌てていて朝ご飯を食べてないからなのだ。
お義姉さんがいなかった事もあり、今日は三つ編みにしていない。
その上、寝坊してしまったので髪を整えていないせいか、当然ぼさぼさなのである(笑)
・・・さすがにこの頭は拙いかなぁ・・・調理パンとジュースを買いながらガラスに映った自分を見てそんな事を思っていたけど、廻りはおかしい目で見る事もなく買い物をしている。
・・・まぁ、今時はこんなの当たり前だから良いかな(苦笑)・・・お金を出して、乗り換えの電車が来る前に食べようとパンの包みを取り食べ始めると、ポンと肩を叩かれた。
「和美、珍しいじゃない?」肩を叩いた志乃はぼくの隣に座って電車を待ちながら話しかけてきた。
「今日、姉さんがいなくて寝坊しちゃって」パンの包みを取り口に運びながらぼくはそう答えた。
「そか、じゃあ髪とかぼさぼさで仕方ないわね♪」志乃はそう言いながら笑っていた。
「学校で直すから・・・でも、ご飯は今じゃないと食べられないもの」牛乳を袋から出してストローを刺しながらそう答えると志乃は笑っていた。
「でも、和美がここの食べてるのなんて初めて見たわ♪」志乃はそう言いながら鞄からブラシを取り出すとぼくの髪の毛を整えている。
「あ、いいって・・・学校で直すから」
「早く食べなさいな、女の子がパンとか食べているのはみっともないぞ♪」志乃はそう言いながら髪を編みこんでいく。
「いいよ、三つ編みにしなくても・・・」ぼくはそう言いながら2つ目のパンを口に運んだ。
「あぁぁぁぁ、お姉様がぁ・・・」
そんな叫び声がして、廻りの人が声のする一点に目を向けた!
ぼくもパンを咥えたままそっちに目を向けると、美秀ちゃんがぼくを指差して震えている(爆)
じっと見詰め合うぼく達(笑)
「うわぁ〜〜〜ん、お姉様のばか〜〜〜」
彼女は叫びながらどこかに行ってしまった。
「?」どうしていいのか判らないぼくはそのままパンを食べていた。
「これで終りになったのかな」志乃はそう言いながらポンと肩を叩いた。
「かなぁ?」ぼくは牛乳を口にしてパンを飲みこんだ。
25話に続く
どうも、mk8426です。「和美ちゃん」お届けで〜す。
うわはははは!
まあ、勝手に憧れられて、勝手に幻滅された和美ちゃんにとってはいい迷惑でしょうな。
さあ、彼女がどういう行動に出るのか、はたまたもう引っ込んでしまうのか、非常に楽しみです。
2004.10.14 mk8426