和美ちゃんスクールライフ

和美ちゃん16話

作:kagerou6

 

「和美ちゃん・・・それ重いでしょ?持ってあげるネ!」

授業の準備をしていたぼくの荷物を、そう言って男子が勝手に持っていく?
「あ、ありがと・・・でもそれ・・・」
「いえいえ・・・これくらい問題ないよ」そう言って笑いながら準備室に運んでいく。
・・・なんだあれは?・・・不意なことにぼくにはその男子の行動がわからなかった。

「やだなぁ・・・和美は♪」佳子はお弁当を食べながら、ぼくの事をじっと見ている。
「和美・・・今日は何日なの?」
「え?・・・あぁ、2月10日だけど?」お弁当を置いて、時計の日付を見るぼく。
「ふむ・・・準備はしてあるんでしょ?」
「え、なんの準備?」から揚げを食べながらぼくがそう答えると、佳子は呆れた顔でぼくを見ていた。
「もー何いってんのよ?・・・大事な日を忘れちゃうなんて!」佳子はそう言い、隣で食べている亜紀に顔を向ける。
「だめよ・・・普通の人を基準にしなきゃ♪」亜紀は佳子にそう言って笑いかけると

「モテル人は、チョコなんて(泣)」

そう言って佳子の手を握る。
「そうね・・・あたし達のように平凡な娘とは違うのね(泣)」
「でも、神様がくれたこのバレンタインを無駄にはしないわ」
「ふーん、田中君の事は良いんだ?」
ぼくがそう言うと佳子の顔に縦線が入る(笑)
「そ、それとこれはべべべつな話で・・・」
「ふーん、どう別なのか教えてくれるかな?佳子さん?」
なぜかそれを聞いていた田中がそう言って佳子の肩に手を置いた。

「あ、わわわわ・・・いいいたのね田中君・・・」
「そりゃいるさ・・・ここは俺の教室だもんな」
「ふーん、俺がいるのにバレンタインの相談なんだ」
「だだだだって・・・いいいイベントじゃない・・・」佳子はかなり焦っているのかどもりまくっている。
「イベントねぇ」田中はそう言うと少し考えて、ぼくのほうに目を向ける。
「和美ちゃんは・・・俺にチョコ!くれる?」
「え?」その言葉に箸を落としそうになってしまったぼく。
「ええええええ?」
「だって佳子は俺にくれそうにないみたいだし・・・俺だってチョコ欲しいじゃない?」
「ななななななな・・・」田中の言葉に佳子が慌てている!
「なんで和美から貰おうとするのよ?」
「佳子は俺より他の男にくれるのだろう?」
「ななにもあげないなんて言ってないじゃないよ!」
「ホントかなぁ?」さっきの言葉で佳子を疑っている田中。
「ホントよ・・・もう買ってあるんだから!」そう言ってバックから箱を取り出す!
「ほら、これがそうよ!」
「ば、ばか!」田中は慌てて佳子の持っていたチョコを手で覆うと
「わ、判ったよ・・・だから早く隠せ・・・」そう言いながら佳子のバックに隠そうとしている。

「「「ほぉ・・・もうバレンタインなのか?」」」

そう言いながらクラスの男子が田中の肩を叩いた(爆)
今度は田中の顔に段々縦筋が入っていく!
「まだ早くないかなぁ?」
「そうだよなぁ・・・まだ4日あるよなぁ」
「そうすると・・・これはなに?かな・・・ねぇ田中君?」
「そ、それはだなぁ・・・」答えをどうしようか戸惑っている田中。
まともに言えるはずがないからである。
「そ、それはその・・・」

「「「ちょっと・・・付き合ってもらおうか?」」」

そう言うと男子達は田中を両脇から挟んで、どこかに連れて行ってしまった(爆)

「ふぅ・・・どうしたものかなぁチョコ・・・」
帰り道、佳子達と駅に向かいながらそんな事を言っていると
「あたし達だと問題ないけど・・・和美はあげないほうが良いかもねぇ・・・」と、佳子に言われてしまった。
「なんでさ?・・・あれって”イベント”なんでしょ?」
ぼくがそう言い返すと、頭を抱える佳子達!
「あのねぇ・・・君は・・・」
「もう・・・天然な事言うかなぁ・・・」
「はぁ・・・可笑しい事言った、ぼく?」

「「「もう・・・ここまで来ると犯罪だねぇ」」」

そう言って皆がため息をついた(笑)

「いい、和美?」駅のベンチで佳子がぼくを真剣な目で見つめながら
「ウチのクラスに男子何人いるか知っているよね?」と言う。
「う、うん・・・半分として20名かな?」
「そう、20名いるのよね」
「でさ・・・あたしと和美、どっちがモテルと思う?」
「え?」いきなりの言葉にぼくはどう言い返して良いのか判らなかった。
「そ、そんなの判ららないわよ・・・けけ佳子だだだって・・・」
「残念ながら・・・あたしと和美じゃ比べられないのよ・・・」ため息をつきながら答える佳子。
「あたしだって・・・ちょっとは美人でさ・・・ちょっとは料理上手だけど・・・もてないもん・・・」
・・・あれ、なにか?・・・佳子の言い方が気になって亜紀達を見ると
「そうね・・・佳子はちょっと美人だけど性格もちょっとだし・・・お料理上手だけどお勉強もちょっとだし・・・・」
と、頷きながら言う彼女達(笑)
「あのねぇ」
「なにさホントじゃないよぉ」
互いに目が笑っていなかっりする(泣)

「つまり・・・”もてない”佳子のチョコですら騒ぎが起きたのよ?」と、佳子の代わりに志乃が教えてくれた。
「”もてない”佳子であれでしょ?・・・和美だとどうなるのか・・・」と、ため息を付きながら亜紀が説明を続ける。
「はぁ・・・そうなのかなぁ」
「「だから”もてない”佳子でね」」
「こらぁ、”もてない”を連呼するなぁ!」
「「和美・・・考えたほうがいいよ」」
二人は佳子から逃げだしながらそう言っていた(笑)

「そうかぁ・・・どうしたものかなぁ」マンションに帰る途中、お店に飾ってあるバレンタインのポスターを見ながら考えていた。
ポスターの脇では、女の子が色々と見比べて騒いでいるのが良く判る。
「これが義理でぇ・・・こっち彼用なんだ♪」
「あたしなんて・・・こっちの手作りなんだ!」
「えぇ・・・お腹壊さない♪」
「大丈夫・・・いつも鍛えてるもん♪」
「あとで・・・ふられても知らないから♪」
「言ったなぁ♪」
楽しそうな会話がぼくの耳に飛び込んでくる。
「やっぱり・・・”女の子”としては拙いかなぁ・・・」それを見ていて独り言を言っていた。

「何が拙いの?」突然そう言われて振りかえると佐藤がぼくの事を見ていた。
「どうしたの?・・・なんだか考え込んでいる風だったけど?」
「うん・・・・ちょっとね」そう言いながらお店に目が行くと
「・・・佐藤君もチョコ欲しい?・・・」なぜかそんな事を言ってしまった(爆)
「え?・・・なに急に???」驚いてじっと見つめる佐藤!
「あ・・・ゴメン忘れて!」
ぼくは慌てて佐藤に言い返していた。

「・・・なんだか斉藤さんらしいというか・・・」
「だからそれは忘れて・・・」ぼくがそう言う佐藤は笑っている。
「今の時期は皆が言うから・・・ホントにゴメン!」
「でも、そんな事で悩んでいるなんて・・・ホッとしたよ」
「え?」佐藤の言葉が気になってぼくはつい彼を見つめた。
「あはは・・・でも、ぼくだったら義理でも嬉しいけどね」
「なに言ってるかなぁ・・・一杯貰うんでしょ?」
「義理ばっかりだよ・・・小さいやつをね」指を少し広げて言う佐藤。
「そう・・・じゃあそれよりちょっと大きいのにしよ♪」
「え?」今度は佐藤が驚いて聞き返す。
「いつも色々お世話になっているもの・・・感謝しないと♪」
「あはは・・・それはありがと・・・」佐藤は力なく頷いた。

2月14日・・・運命の日(爆)
ぼくはいくつかチョコをバックに入れていた。
「ふーん、そんな事するの♪」と、昨日準備していたら姉に楽しまれたけど・・・
「さてと・・・まずは・・・」誰に最初に渡そうか考えながら教室のドアを開けると

「「「和美ちゃ〜〜〜ん、おはよぉ〜〜〜〜♪」」」

いつもとは違う声がぼくを迎えた(笑)
「あはぁ・・・お、おはよぅ・・・・」
なぜかドアを開けると、クラスの男子(ほぼ)全員がじっと立っていたのだ(爆)
・・・あちゃ〜・・・あまりの迫力に恐る恐る見ると、男子はじっとぼくのバックを見ている。
・・・うぅ、ここで待たれるとは・・・こんな状況じゃあ逃げる事なんて出来るはずもなく後ずさるぼく。
それでも男子の目は、じっとぼくのバックを追いかけてくる。
・・・や、やばいかなぁこれって・・・そのしつこさになんだか怖くなって、バックから大きい箱を取り出す。
「「「ままままま・・・・」」」箱を見て動作が止まる男子!
「う、うん・・・いつもお世話になっているから・・・・」

「「「うおぉ〜〜〜〜」」」

叫び声を出すと、一斉にピラニアの如く箱に飛びかかって来る!
「み、皆の分だから・・・分けてよね・・・」そう言ってぼくは箱を投げた。
箱を拾うとすぐさま開けて、チョコを競うようにむさぼり食っている(爆)

「欠食児じゃないんだけどなぁ」
それを見ていた佐藤は呆れた風に言っていた。
「そうそう・・・なんだか恥かしいね」と田中。
「ふーん、随分余裕な発言だなぁ・・・え、田中?」話を聞いた高木が田中に茶々を入れる。
「な、なんだよ・・・俺のなにがだ?・・・」
「いいなぁ・・・彼女いるやつは」
「あれ・・・高木君はいないんだぁ?」ぼくがそう言うと
「ほら・・・俺って部活命だから♪」
「ふーん、硬派なんだぁ♪」
「そそ・・・だから俺にはチョコなんて・・・」
「ふーん・・・”チョコなんて”かぁ・・・」そう言いながら鞄から小さな箱を取り出すぼく。
「あっちとは別に準備したんだけど・・・”チョコなんて”とか言われちゃったら・・・」
「そそそそそれれははははぁぁぁぁぁ」慌ててぼくを見る高木。
「はい・・・いつもありがとうね」ぼくはそう言って高木・・・の隣の佐藤に手渡す。
「あ、ありがとう・・・」ちょっと照れながら受け取る佐藤。
「いえ・・・いつもアリガトね」そう言って高木・・・の隣の田中を見ながら
「佳子もいるけど・・・今日は良いよね?田中君?・・・」と、手渡す(爆)
「いいいいても大丈夫だだだよ・・・」
どもりながら答える田中にぼくは頷く。
それをじっと見ている高木。
「やだなぁ・・・ちゃんとあるから」と、高木に手渡した。

「すこし形変かもしれないけど・・・我慢してね」ぼくがそう言うと3人はじっと箱を見ている。
「「「これ・・・もしかして・・・」」」
「佳子みたいにお料理上手なら・・・良かったんだけどね・・・」ぼくがそう言うとブンブン首を振る3人!
「関係ないって・・・そんなの・・・」
「そうだよ・・・その通りさ」
「こっちこそ・・・”いつもありがとう”って言うべきだから・・・」
そう言うと3人とも。チョコの箱を大事そうに鞄に仕舞っている。
「え?・・・なんで?」
「「「もったいないから大事に食べるんだ」」」
「そう大事にされても困るんだけどね」
「でも、あいつらの前じゃあ食べれないからさ」佐藤はそう言うとまだ争っているクラスの男子を指でさしていた。
翌日、かなり男子が欠席したのは言うまでもなかった(爆)

 

17話に続く


どうも、mk8426です。今週の週刊「和美ちゃん」はなんとか間に合いましたか。
えー、バレンタインっす。も、読んで字の如く。しかし、ここまですごいのも・・・(汗)。

2004.05.26  mk8426

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