和美ちゃんスクールライフ

和美ちゃん 13話

作:kagerou6

 

「今年は雪化粧のお正月だね」ぼくは窓から見える雪景色を、コタツに入りながら眺めていた。
「もう、休みになったらだらしないままねぇ」姉もそう言ってコタツに入ったままの正月だ(笑)
「晶・・・ご飯は?」姉の奥さん?がそう言って台所から顔を出して聞いてくると
「俺、雑煮が良いな・・・それと熱燗♪」いきなり男モードになる姉(爆)
「もう、都合良いときだけ男なんだね♪」ぼくがそう聞くと
「良いじゃない、ここは私の家なんだから」そう言って笑っていた。

「和美は家に帰らないの?」出された熱燗を飲みながらそう聞いてくる。
「だって、この天気じゃあ」そう言って窓に目を向けると雪はまだ降っているようだった。
「初詣くらい行こうと思っていたけど、今のぼくってねぇ・・・」そう言っていると、なんだか情けなくなってくる。
だって女装したままの正月なのだから!
「お参りって・・・このままじゃまずいでしょう?」ぼくがそう言うと姉も苦笑いしている。
「もし見られたら、なんていって良いか判らないし・・・」そう言う言葉に姉は頷いていた。
「お正月くらい・・・のんびりしたいからなぁ・・・」
「そうだね、緊張するだろうからな」姉の言葉にぼくは頷き返した。

「宿題終わったし・・・後はのんびり寝正月を楽しもうっと!」ぼくはそう言ってコタツに寝そべった。
「そんな格好していると、太っちゃうわよ♪」姉の奥さんがそう言って笑いながらお雑煮の入った器を持ってきた。
「あは、そだね」起き上がりながらそう笑うと、そっと器が置かれた。
「それじゃあ、いただきまーす」そう言って箸を取った。

「でも、ほんとにどこにも行かないの?」器を片付けながら奥さんが聞いてくるけどぼくは何も予定してないのでただ黙ったままでいた。
「今年はこの子の御払いだから・・・ちょっと出てきたいんだけどお留守番良い?」ぼくにそう言うと姉も慌てて起き上がった。
「そうだ、今年はこの子の・・・」
「もう!だらしないわね」そう言って奥さんは笑っている。
「でも、どっちで行くの?」
「そりゃ決まっているだろう・・・父親でしょうが?」そう言いつつ、手にしたスカートを投げ捨てている(笑)
「そだね・・・」ぼくはコタツに肩まで入りながら二人が着替えているのを見ていた。
スラックスをはき、頭を整えるともうそこいらにいる男に変わっていた(爆)
・・・うわぁ、さすがだわ・・・と、つい感心してしまう。
ジャンバーを着てメガネをするともう”姉”はどこにも残っていない!
「おかしくないかしら」そう言って鏡の前で確認しているのが難点であるけど(笑)

「遅くなるかもしれないから・・・出かけるなら構わないから」着替え終わった姉改め兄(笑)はそういった。
「別に用ないもん、呼び出しとかされるはずないから・・・」ぼくがそう言うと、兄の顔に影線が落ちてくる(爆)
「?・・・どうかしたの?」コタツに肩まで入りながら聞くぼくに、兄は慌てていた。
「やばい、伯父さんに新年の挨拶に来いって言われてたんだ!」そう言ってどうしようか悩んでいる。
「挨拶くらい・・・学校始まってからでも良いんじゃないの?」
「ばか!」兄?はそう言ってぼくの事を見つめると
「あんな事許してくれている学校なんだぞ?」
「へ?」
「私も和美も普通の格好じゃないじゃない(笑)」姉モードに戻ってそう言うと、ぼくは理由が判ってしまった(笑)
「どうしよう・・・他の先生のいる前じゃあちゃんと女の服で行かなきゃならないし・・・」
そう言いながら、服を持ってどうして良いのか悩んでいた(爆)
「ぼくじゃ駄目なの?」慌てている兄にぼくはそう言って、コタツから這い出た。
「へ?」今度は兄が驚く番だった。
「伯父さんの挨拶なんでしょ?・・・だったらぼくだって良いでしょ?」
「まぁ、それはそうなんだけど・・・」男の格好で女言葉を言う兄はちょっと滑稽かも知れない(笑)
「大丈夫、”兄が帰国したんで迎えに行きました”って言っておけば良いんでしょう?・・・他の先生にはさ」ぼくがそう言うと、一応頷く。
「伯父さんには子供の事で出かけたんでって、言っておくから」ぼくはそう言いながらジーンズを手にした。

「そうすると・・・」兄は着替えているぼくのことを見ながら、そう言ってきた。
「なに?・・・やっぱりぼくじゃまずいの?」ジャンバーを羽織ながら兄に振り向くと”イヤイヤ”と首を振っている。
「年頃?の女の子がジーンズ?で、挨拶回りはおかしくないか?」そう言って着替え終わったぼくの事を指差している。
「へ?」
「振袖とは言わないけどちゃんとスカートくらいは着ていったほうが良いんじゃないのか?」
「うぐ・・・」ぼくは痛い所を指摘され、ジャンバーに通していた手が止まる。
「制服とかのが良いって事?」
「うーん、いくら学生でも制服じゃあ・・・」兄はそう言うと、奥の部屋に行き自分の明るい色のスーツを取り出してぼくに押し付ける。
「これなら合いそうじゃないかな」
「そうね、色も良いし」奥さんもぼくを見てそう言うと、彼女まで自分のコートを取ってきて
「この組み合わせ悪くないんじゃない♪」コートをぼくに当てながらそう言って笑った。
「そうすると・・・やっぱり・・・お化粧しなきゃ♪」そう行って笑う兄の顔は、なぜか姉(笑)の目つきになっていた。

「はぁ〜・・・」電車の窓に映る自分を見て、ついため息をしているぼく。
「やっぱり、身だしなみだから」楽しそうに言う二人にフルメイクを施され、なぜか姉の妹(笑)を証明する顔にされてしまった。
そのせいか、さっきから学生らしい年頃の男子がちらちらぼくの事を見ているような気がするのだ。
・・・姉さんと間違って見ているのかなぁ・・・ベージュのコートを着て荷物を持っているぼくは、どう見ても学生には見えないのだろう。
なんどか声を掛けられそうになってしまった。
・・・こんな事ことなら言うんじゃなかった・・・
ぼくは窓から雪景色を見ながらそんな事を考えていた。

駅に着いたぼくは伯父の家に電話を掛けると、伯父が迎えに来てくれると言ってくれた。
ぼくは目に付いた喫茶店の名前を言って電話を切ると、いきなり後から声を掛けられた。
振りかえると、見たことあるようなないような顔(笑)が、じっとぼくの事を見つめている。
背の高い相手はグレーのスーツを着て、ぼくの事を見てにこやかな顔をしている
・・・誰だこいつ?・・・じっと見つめ返すと、なぜか相手は照れているようだった(爆)
「あのぅ〜・・・誰だっけ?・・・」そう聞くと、お約束のごとく相手がこけた(爆)
「ぼくだってば、佐藤だよ!」佐藤は笑いながらむきになってそう言った。
「あは、ごめんね・・・いつもと違うから判らなかった」ぼくがそう言うと
「斉藤さんだって・・・違うじゃないか」そう言う。
「え?」
「いつもお化粧なんてしていないじゃない・・・それにスーツなんか着て・・・」じっと見つめながら佐藤はそう言った。
「これ?・・・これから伯・・・校長先生のところに行くの・・・」間違えそうになりながらそう言うと佐藤は驚いてぼくの事を見つめていた。
「あ、姉さんの代わり・・・行けなくなったんでぼくがその代わりなの!」そういうと納得したのか、普通の顔に戻った。
「佐藤君こそどうして?」着ているスーツを指差すと、佐藤は苦笑いしながら
「おやじの実家に行って来たんだよ」と、そう言って手にした紙袋を持ち上げていた。
「え?・・・スーツなんか着て?」今度はぼくが驚いて聞き返すと彼は頷きながら
「そうなんだ・・・どうだか知らないけど着て来いって・・・」ため息をつきながらそう言う佐藤は、スーツなんて着たくないようだった。
学校ではきちんとしているがそこはそれ、普段にスーツなんて着たくないのは誰だって同じだろう。
「お正月だからじゃないのかな?」ぼくがそう言うと”うーん”と考え笑い出した。

「待ち合わせってどこなの?」佐藤はそう言って廻りをキョロキョロしている。
「あ、そこの喫茶店なの・・・だって寒いじゃない」ぼくがそう言うと佐藤は頷いて
「それじゃあ中で待っていようよ」そう言ってぼくの手を握ると、喫茶店のドアを開けた。
「ホット2つね」席に着くとさっさとオーダーして、佐藤はじっとぼくの事を見つめている。
「な、なにかな?」コートを脱いでスーツ姿をじっと見られ、ぼくはなんだか恥ずかしくなってきていた。
「そ、そんなに見つめないでよ」なぜか女言葉(笑)のぼく・・・
「いやぁ、そっくりだなと思ってさ」佐藤はそう言うと、普段見ている顔に戻っていた。
「さすが姉妹だね」コーヒーに口をつけながらそう言う佐藤。
「そ、そうかなぁ」ぼくもコーヒーを飲みながらそう答える。
「でも、いつもの和美ちゃんがぼくは好きだな」そう佐藤が言ったことはぼくには聞こえなかった。

「なんだ、和美デートか?」
喫茶店のドアを開け伯父がそう言いながら入って来た。
「伯・・伯父さん変な事言わないでよ」「校長?」
ぼく達はお互いそう言い、相手の顔を見合っていた。
・・・しまった、つい・・・
「和美って・・・それに伯父さんて、今言って・・・」佐藤の言葉にぼくは何も言えなかった。
「なんだ、言ってなかったのか?」伯父はそう言うとぼくの事を見ていた。
「だって姉さんのことだけでも・・・その上伯父さんのことまで・・・」そう言うぼくに伯父は頷いている。
「確か、佐藤君だったね」伯父はそう言って佐藤を見つめた。
「この娘は私が預かっているんだ・・・」そう言って佐藤を見つめると、目を閉じてひとつ深呼吸している。
「いずれはきちんと言うが、暫くは内緒にしておいてくれないだろうか」と手を握りそう言った。
「そうなんですか」佐藤もぼくと伯父を交互に見ながらそう答える。
「判りました・・・この事は誰にも言わないことを約束します」
「そうか、ありがとう」伯父は佐藤の手を取ると
「和美は良いボーイフレンドを持ったなぁ」そう言って笑った。
その言葉にぼくはなぜか真っ赤になってしまった。

「この後何か用事あるのか?」伯父はいきなり僕と佐藤に聞いてきた。
「ぼくは・・・伯父さんとこに挨拶行くだけだったから」
「俺・・・ぼくはもう用事済ませましたんで」
二人してそう答えると、伯父は頷きながら
「これから初詣行かないか?」そう言い出した。
「「初詣?」」
「ああ、孫のお参りと一緒なんだがどうかな?」
「・・・で、でも・・・」ぼくは自分の服に視線を落としながら
・・・この格好で行くの?・・・と考えていたが、佐藤は違っていた。

「ぜひ、行かせてください」

と、鼻息荒く答えている。
・・・どうしたんだぁ?・・・様子のおかしい佐藤?だったが、伯父はニコニコしている。
・・・うぅ、行かないと拙いのかな・・・二人の顔を見ているとそんな気がしてくるぼくだった。

「和美ちゃん、キレイになったねぇ(笑)」
伯父の車に行くと、いきなりいとこにそう言われてしまった。
「あはは・・・」顔をひきつらせながら笑うしか出来ないぼく。
「で、その子がボーイフレンド?」赤ちゃんを抱いたまま、彼女は判っていてそう聞いてくる(爆)
「揃ってスーツなんか着てきて、その気じゃないのかな♪」
その言いようについ赤くなるぼく達・・・
「おいおい、若いカップル苛めてどうすんだよ♪」旦那さんがそう言い、彼女は舌を出しながら頭を下げた。
「ごめんねぇ、初々しいからついねぇ・・・」
・・・そ、それだけでかぁ?・・・
ぼくはつい言い返しそうになっていた。

「ちょっと赤ちゃん抱いてみてくれる?」いとこはそう言い、赤ちゃんをいきなりぼくによこした。
「抱き方なんて判らないよ」両手で包み込むように抱えながらそう言うと、佐藤に目を向け
「赤ちゃんかわいい?」いきなり聞き出している。
「え?」驚いてぼくの抱いている赤ちゃんに目を向ける佐藤。
「いよ、若夫婦♪」
そう言いながらなぜか写真を撮る彼女(笑)
「ごめんね、こんないとこでさ」赤ちゃんを抱いたままそう佐藤に言うと、にこやかな顔のままで首を振っている。
「似合っているよ、斉藤さん」佐藤のその言葉に、ぼくはなぜか赤くなってしまった。
それから神社に着くまでの間、ぼくは赤ちゃんを抱えたまま佐藤の隣に座っていた。
じっとぼくと赤ちゃんを見ている佐藤。

このことが新学期大問題になることを彼らは知らなかった(爆)

 

14話に続く


どうも、mk8426です。今週の週刊「和美ちゃん」も遅れてしまいました(爆)。
えー、季節はずれのお正月ネタです(何)。まあ、フィクションですのでいつ何のネタであろうと構わないのは確かです。
「若夫婦」・・・これがいかなる事件を巻き起こすのか・・・(今のところ)知りません(核爆)。仮に知ってても書くとつまらないでしょうし(笑)。

2004.05.06  mk8426

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