和美ちゃんスクールライフ
和美ちゃん12話
作:kagerou6
「「はぁ〜、憂鬱だわ」」
廊下に張り出されたテストの日程表を見ながら、佳子と亜紀は肩を落としていた。
「どしたの?・・・そんなに肩を落として?」
「社会2日目かぁ、きついなぁ」
「英語だってそうだよ」二人はぼくの声が聞こえないのか、見たままで話し合っている。
「「また地獄の1週間が・・」」
「あ、なんだ・・・日程貼り出されたんだ」ぼくがそう言うと
「「”なんだぁ〜?”」」
二人はそう言って振り返り血走った目(怖)で、ぼくを見つめていた。
「「良いよね・・・頭の良い人はさぁ・・・」」二人してそう言いため息をついている。
「そんな・・・ぼくだって、前回は成績落ちちゃったじゃ・・・」そう言いかけ、二人の目が尋常でない事に気付いた。
「「落ちたですって!」」
二人は声をそろえて、ぼくにずいずい近付いてくる。
「な・・・なによ・・・」つい弱気になっているぼく。
「落ちた?・・・どれくらいなの?」
「えーと・・・4番・・・」
「「はぁ?・・・何番?聞こえなかったわよ?」」
耳をそばだて二人は”聞こえないよ”と言わんばかりの態度だ!
「だから・・・4番・・・なの」
「「そう・・・4番も、落ちちゃったの」」両手を広げ、さも”大変ね”と言いたいようだ。
「「でも良かったね・・・もう一つ落ちていたらダブルスコアだもん、そうならなくて良かったねぇ」」
・・・うっ、何がいいたいんだ?・・・ぼくがじっと見ていると、二人は両手を合わせて
「亜紀ちゃん」「佳子ちゃん」そう言い合い
「「私達はダブルスコアの心配ないから(怒)良かったねぇ」」
・・・うぅ、そっちできたかぁ〜〜・・
ウチの学校は1学年7クラス40名!で、学年には280名が居る計算になる
その為、ダブルスコアにならない順位は必然的に141位以下ということなのだ(汗)
・・・そういえば、文化祭のあと、すぐテストだったしなぁ;;;;・・・
ぼくは夏休みの後”しかえし”のつもりで、宿題を教えないでいた。
その後、すぐ文化祭になってしまい宿題をすっかり忘れていたわけ。
そしてお祭り気分の取れない中、実力テスト(笑)に突入したのだ。
すぐにテストのある事を予測していないぼくは4つ落とした。
が!
ふたりは大きく落としたのだった(合掌)
「ウチのお母さん・・・”これ以上落ちたらお小遣いカットだからね”って言っていてさ・・・」そう言いぼくを見る亜紀。
「そのお金で塾に通わせる気なんだわぁ!」そう言って佳子に泣きついた。
「亜紀ちゃん、貴方だけつらい思いなんてさせやしないわ!」佳子はそう言い抱き返す。
「いつも一緒だって言ったじゃない、塾だって一緒よ!」
「佳子ちゃん(ハート)」「亜紀ちゃん(ハート)」そう言ってしっかり抱き合う二人;;;
・・・く、くせー芝居;;;・・・そう思ってしまうぼくだった;;;
「今度のテストにはココからココまで出るからな・・・きちんと勉強しておくように」そう言って先生が黒板に書きこんでいく。
「先生、半分にしてくださいよ〜」
「構わんが、休みの宿題倍にするが、どっちが良い?」
「うわぁ・・・やめてくれ〜」
「わっはっは・・・もし、成績が良かったら宿題は減らしても良いぞ」
「う〜ん、良い点て・・・30点ですか?」
「おいおい」そう言って教室中が笑いに包まれていた!
「まあ、普段の授業をちゃんと聞いていれば十分出来るから」先生はそう言うと教室から出ていった。
「佐藤・・・俺達親友だよなぁ・・・」休憩時間、田中はそう言って佐藤の肩を叩き話し掛けていた。
「まあ、友達とは思っているけど?・・」そう言いつつ、佐藤は田中の顔を見ながら
「まさかお前・・・俺は知らんぞ」
「そんな佐藤・・・マブダチじゃないか・・・」
田中はしつこく佐藤に言い寄っている。
「お前は教え甲斐ないからなぁ」そう言ってため息をすると
「前回、一人だけ赤点だったらしいし・・・」
・・・まじ?田中って?・・・つい田中を見ているぼく。
「そんな佐藤・・・助けてくれよ〜」田中は佐藤にすがりつくように
「お前しか、頼れないんだよぉ〜」
「でもなぁ・・・」佐藤は腕を組んで考え込んでいるようだった。
「カズミ!・・お願い・・・」ぼくが二人を見ているとエリーが話掛けて来た。
「どしたの?なにか?」
「カズミ・・・お勉強教えてほしいのだ」エリーはそう言ってぼくの手を取り
「ワタシ、この前みたいのじゃあ・・・パパに申し訳がたたないのだ」そう言って大きな目を潤ませている。
「そっか、エリーは留学生だもんね」ぼくは頷き、彼女に答えた。
エリーは前回数学・理科・英語(笑)などが良かったが、流石に国語関係がだめだった(爆)
普段は明るい彼女だが、返されたテストにショックを受けたのかテストを落としてしまったくらいだったのだ!
「エリー・・・そんなに悪かったの・・・」そう言って佳子がエリーのテストを拾い上げ固まった(爆)
「佳子までどうしたのよ」そう言って亜紀も以下同文(笑)
・・・だって、二人より良い点数だったから(笑)・・・
「あんなの、パパには見せられないのだ」そう言ってぼくの手を取ると
「お願いなのだ・・・カズミ、国語教えてほしいのだ・・・」そう言って見つめた。
「判ったわ、エリー」ぼくがそう言って答えると彼女は明るい顔で頷いた。
「「いいなぁ〜〜〜」」
そんな声がして振り向くと、佳子と亜紀が指を咥えて(笑)ぼく達の事を見ていた。
「”あれ”はあたし達のものだったのになぁ〜」そうぶつぶつ言ってため息をつく二人。
・・・”あれ?”なんだそれは?・・・ぼくは二人の話に不思議な感じがして、エリーを見つめると
「「もう、あっちの方が良いのね(涙)」」そう言って机で見つめあい、ハンカチを咥えている(笑)
・・・おいおいどういうこと・・・
「「きっと、あたし達みたいな落ちこぼれなんか、もうどうでも良いんだわ」」
・・・落ちこぼれって、まさか・・・
「「もう住む世界が違ってしまったんだわ」」
そう言うと二人は手を組んだまま机に伏せて
「「あたし達は未来って真っ暗ねぇ!!」」
・・・あちゃ〜、そう来るんだ・・・二人に演技(笑)にぼくは呆れていた。
・・・ったく、素直にひと言いえば良いのにさ・・・そんな事を思いながら、とりあえず話し掛けようとしたが
・・・まてよ、さっき田中が佐藤に・・・と、思いつくものがあった。
「エリー、お勉強するのって多くても構わないかな?」廻りに聞こえない様にそう聞くと、エリーはコクンと頷いた。
「そか、じゃあこっちに来てくれる?」そう言ってエリーの手を取ると、ぼくは佐藤のほうに歩いていった。
「佐藤君・・・ちょっと良いかなぁ」ぼくはそう言って、まだ考え込んでいる佐藤に話掛けた。
「なにかな、斉藤さん」幸い、まだ田中も近くにいる(笑)
「実はエリーがお勉強教えてっていうんだけどさ、ぼく国語関係あんまり得意じゃないの」
「まさか、斉藤さんがそんなわけ・・・」田中は驚いた顔でぼくをみていたが、佐藤は考えこんだままで聞いていた。
「でね、エリーの事皆で!見てあげたらいいと思うの」ちらちら佳子と亜紀のほうを見ながら言うぼく。
「オネガイ・・・一緒にお勉強したいのだな」
「そうなんだ、斉藤さんて優しいんだね」田中は感激して、ぼくの”言いたい事”に気付いていない(ボケ;;;)
「なるほどね、皆でか」佐藤はそう言って、同じように佳子と亜紀に目を向ける。
「そう皆でね♪」・・・さすが佐藤だね・・・
「田中なんかに教えるより、ずっと張合いありそうだなぁ」そう言って笑い
「まてよ、エリーさんて英語はトップ!だって言っていたなぁ」佐藤はそう聞いてきたので、ぼくが頷くと
「本場の英語(笑)を勉強するいい機会だなぁ」
「そだね、英語の先生やってもらってさ!」
ちょっとだけ大きい声で言い、佳子と亜紀に目を向けるとなんだか聞き耳を立てているようだった。
・・・いつまで我慢できるかなぁ?・・・ついそんな事を思ってしまうぼく(笑)
「ワタシ、先生?」エリーがそう聞いてきたので
「そう・・・教えてほしいなぁ」佐藤の言葉にエリーは笑顔で頷いた。
ぼくらがそう言っていると、田中はどうしても混ざりたいのか珍しく考えているようで
「高木も呼ぼうよ」と、言い出していた。
「あいつ理系と国語良いくせに、なぜか英語だめじゃない」そう言いじっと佐藤を見つめ
「俺さ、高木に数学教わるからさ、一緒に勉強やろうよ」田中は必死になって言っている。
「そうだな、高木は数学俺より良かったしな」佐藤はそう言って考えている。
「そうなの・・・高木君数学得意!だったんだぁ〜」また少し大きい声で言うぼく。
「凄いね・・・5教科のうち3教科でトップの人が教えてくれるんだもん」
「そうだ・・あれ?・・・斉藤さんだって社会科トップだって聞いたけど?」
「え〜ホント?」田中は驚いてそう言っている。
「えへへ・・・まぐれだってばぁ〜」ぼくがそう言うと、皆が笑っていた。
「場所どこでやる?」田中はしっかり自分を入れた勉強計画を立てているよで、もう実行計画を考えている。
「○ックかどこかでやる?・・・それとも図書館かどこか?」佐藤がそう提案すると、皆が色々考え始めていた。
「ねえ、ウチでやらない?・・・一応姉さんだって先生だしさ」ぼくがそう言うと、”ポン”と手を叩きウンウンと頷いている。
「5人くらいなら問題無く・・・」そう言いかけていると、他の4人の視線がぼくに集まっているのに気付いた。
「どしたの?・・・なにか?・・・」そう言うぼくの後でいきなり
「「ご・に・ん・だ・け・な・のぉ〜〜(泣)」」
と、時期はずれ(笑)な幽霊の声がした。
「え?」振り返るとそこには、髪の毛を咥えた(笑)佳子と亜紀の顔が浮かんでいた。
「うきゃきゃ〜〜〜!」つい叫んで後ずさるぼく(笑)
「「あたし達も良いかなぁ〜〜」」
そう言い近付いてくる二人に、ぼく達は頷くしか出来なかった。
「「そう、ありがとうネ」」咥えていた髪を吐いてそう言うと、もうにっこりしている。
「「それじゃあ和美んとこ5時で良いんでしょ」」そう言うともう教室から出ていってしまった。
「田中・・・良くつきあっているなぁ」
「あぁ、自分でも不思議に思っている」
そう言う二人にぼくは苦笑するしかなかった。
7人になった勉強会は1週間ぼくの家で続いた。
姉も帰宅後、ぼくらより田中・亜紀・佳子を重点で見ていてくれていた。
「ここ、良く出ているから」そう言っては、マーカーを引いて教え込んでいる。
「勘違いしやすいから、そのほかのも覚えておいてね」
姉は最後の日、各科の問題集を取り出し
「こんなのが多いからね」そう言ってアンダーラインを引き
「重要なところだからやってみて」全員を見ながら姉はそう言っていた。
「でも・・・4教科しかないよ?」ぼくがそう聞くと
「いくらなんでも、私のテスト教えられないじゃないの(笑)」そう言って姉は笑った。
「そっか・・・そだよね」ぼくがそう言うと皆も苦笑している。
「じゃあ始め!」姉の掛け声で問題集を皆で始めた。
「おはよう、カズミ」翌朝、玄関でエリーが話掛けてきた。
「おはよう」靴を履き替えながらそう答えると
「いよいよ本番だね」エリーはそう言ってガッツポーズ?をしている。
「あは・・・そんなに力いれると持たないって・・・」
「でも、成果をだすチャンスなのだわ」
「そだね」ぼく達はそんな事を言いながら教室の入っていった。
「あ・・・おはよ〜〜???・・」ぼくが佳子・亜紀に挨拶をすると真っ赤な目で二人は振り向いた。
「ど・・どうしたの?・・・」
「「昨日帰ってあの問題集やっていたの!」」二人は胸を張ってそう言った。
「でも・・・”出ないかも”って言っていたじゃない?」
「「大丈夫だって・・・ちゃんと他も勉強したじゃない」」そう言って二人は笑っていた。
テストが配られそれを見ると、姉のチェックしたところと似た問題が書いてあった。
・・・おし、これなら・・・そう思って佳子と亜紀を見ると、二人とも机の下でガッツポーズをしている(笑)
・・・これで心配ないね・・・ぼくは安心してテストに没頭していった。
・・・これは佐藤に教わったし・・・国語のテストを書き入れながらそんな事を考えていた。
・・・そうそう、これ勘違いしやすいって高木が言っていたなぁ・・・数学の時はそんな事を考えていたぼく。
・・・姉さんはポイントちゃんと教えてくれたんだぁ・・・理科のテストを解きながら教壇を見ると、姉がウインクしている。
・・・いいのかなぁ・・・そう思いながらテストを続けた。
3教科めのテストが終わり、エリーがきょろきょろしながらぼくの所に来た。
「なに?・・・今日も勉強する?」そう言うと
「もう、佳子も亜紀もいないのだわ」そう言ってクラスの中を見廻すようにしている。
「もう帰ったのかなぁ?」
「そかもね・・・それよりあの問題集ばっちりだったね」ぼくが言うとエリーは親指を立てている(笑)
「さすがだわ、これでパパに顔向けできるね」
「あはは」ぼくは苦笑いして答えた。
翌日の残っていた2教科のテストも似たような問題が出て無事終わった(笑)
「「おはよー、和美・エリー!」」テストの終わった翌日、亜紀と佳子が元気良く話し掛けてきた。
「おはよー」ぼくはそう答えると
「いやー、さすがに晶先生ね・・・役に立ったわ」佳子と亜紀はそう言って、ぼくの前の椅子の向きを変え座った。
「うん・・・あんなに同じ問題が出ると、楽で良いよね」佳子はそう言って
「そうそう・・・式も答えも同じだったし」亜紀がそう続く(笑)
「「これであたし達も夢のベストテンね!」」二人は手を取り合い、そう言ってぼくを見つめた。
・・・あはは、そう言うかなぁ・・・余りに余裕な二人に、ぼくは背中に冷たいものが流れていった(爆)
・・・あれ、まてよ・・・ぼくはさっき亜紀の言った言葉が引っかかっていた。
・・・”式も答えも”って、いっていたなぁ・・・それを思い出すと、さっきより多くの汗が流れていく(爆)
「あの・・・ふたりとも・・・」・・・まさか・・・そう言いかけ、佳子に遮られた。
「もし、和美の順位抜いても・・・諦めてね」そう言って佳子は笑った。
「そうそう・・・今度はあたし達が教えてあげるからさ♪」亜紀もそう言ってぼくの事を見つめている。
「「・・・ごめんねぇ〜〜・・・」」二人は言いたい事言って、自分の席に戻っていってしまった。
余りの言葉にぼくは何も言えないまま、二人を見送っていた。
「エリー・・・同じ答えなんて無かったよね」ぼくは独り言のように呟くと、エリーは頷いて答えてくれた。
「どうしよう・・・あんな事言って喜んでいるのに・・・」
「仕方ないわさ・・・ああも、勘違いしているのだからな・・・」
「でも・・・それじゃああんまり・・・」
「カズミ・・・これが二人の運命!なのだな」エリーはそう言って涙を流していた。
「エリー・・・それがあの二人の?・・・」
「そう、あの二人の運命!なのだわ〜〜」
そんなエリーの言葉にぼくも一緒になって涙を流していた。
翌週帰ってきたテストを見て、二人はそのまま固まってクリスマス・冬休みを迎える事になった(アーメン(涙))
13話に続く
どうも、mk8426です。今週の週刊「和美ちゃん」はまたしても遅れてしまいました(汗)。
さあ、新章突入ですよ(笑)。で、いきなりテストなんですが、やっぱりあの2人はやらかしてくれましたね。
そのまま出してたら問題漏洩だっての。まあ、これは運命ということで諦めていただきましょう(爆)。
2004.04.29 mk8426