和美ちゃんスクールライフ

和美ちゃん 11話文化祭編FIN

作:kagerou6

 

「佳子、志乃・・・おはよー」ぼくは玄関のところで二人に会ってそう声を掛けた。
「和美おはよー・・・今日もかわいいね?」佳子がそう言ってぼくの事を見つめてくる。
「やだなー・・佳子だって・・・」靴を履き替え歩きながらそう答え、階段で言葉を無くした・・・
階段の下から上までぎっしり人が並んでいたからだ!
・・・なに、この列・・・ぼくは唖然として立ち止まっていた。
「和美、なに止まってんの・・・準備出来なくなるって・・・」脇を通りながら佳子がそう言うと、一部の人が振り返った!

「あぁ、和美ちゃんだ!」

・・・ギク!・・・不意に名前を言われ、いいしれないやな予感がしてきた。
「お・・・おはよぅございます・・・」バックで隠れながらそう言って離れようとしたけどもう遅かった。
「なに・・・和美ちゃん?」
「どこどこ・・・俺ずっと待っているんだけど」
「ばか、俺なんか昨日から寝袋で並んで・・・」
そういってぼくの廻りに段々集まってくる。
さっきの一言が、並んでいた人全員の視線がぼくに集まる合図になってしまったのだ!
「おお・・・これが本物の・・・」
「写真より・・・可愛いじゃないか」
じろじろ見ながらぼくの事をそんな風に言っている。
・・・や、やばいよこれって・・・ぼくは脇を抜けようとしたが、いつのまにか廻り中を囲まれてしまった!

・・・うわぁ・・・なんて数!なんだ?・・・

階段一杯に人がいて、全部の視線が僕に集まっている。
・・・この階段使えない・・・身に恐怖?を感じて振りかえると、後もいつのまにか囲まれてしまった!
段々と近付く男たち(笑)
壁伝いに移動しようとしても、後が無かった。
「け・・佳子、いないの?」廻りを見たけど、どこにも彼女はいなかった。
きっとこうなる事を感じて逃げ出したのだろう・・・沈没船のねずみみたいに(笑)・・・
・・・やだ、こんなのコメディじゃないじゃない!・・・ぼくは近付く手を見てそんな事を思ってしまった・・・

「おいおい!・・・私の”妹”になにするのかな?」

突然、後で姉の声がした。
一斉に男子の顔が振りかえり、ぼくの廻りから人が消えていく!
「晶先生の妹だってさ」
「まじ・・・知らなかったよ」

「おらおら・・・単位が欲しかったら道を空けろ!〜」

理不尽な事を言いつつ姉が人の壁を割り現れた(笑)
「あ〜あ、情けないわね」いきなりぼくに言う姉。
ぼくは余りの事に驚いて座り込んでいたからだ。
「ほら・・・時間無いわよ」姉はそういってぼくの手を取った。

姉が睨み付けると、男子はきちんとした列に戻っていく。
「よろしい・・・もしこの娘に手を出したり泣かしたら・・・わかってんだろうな!
姉の言葉に一斉に青ざめ、首を思いきり振り頷く男子。
「判っているならよろしい!」そう言う姉の言葉にほっとして、彼らはため息をついている(笑)
「でも・・・学生らしいのならいいのよん♪」姉はそう言って歩きだした。
「ちょっと・・・お姉ちゃん?・・・どういう意味なのよ?」ぼくは姉に聞きながら追いかけていく。
・・・学生らしい・・・晶の言葉が新たなる災い?となって和美に振掛かって行くのは後の話である(笑)

「ほら・・・ジュース」教室の着いて、座り込んでしまったぼくに、佐藤が冷たいジュースを持って来てくれた。
「あ・・ありがと・・・」冷たいジュースを頬につけ、なんとなく元気が出てきた。
「あれって・・・どうなってんの?」一口飲んでそう聞くと
「準備していた頃だから・・・7時半頃にはかなり並んでいたな・・・」佐藤はそう言い、ドアから外に目を向ける。
「8時頃には・・・もう階段まで繋がっていたようなんだ・・・」
「そんな・・・HRとか皆サボっているの?」
「文化祭のときは出席だけ確認できればいいだけだから・・・そうなんだろうな・・・」佐藤もあきれた声で答えてくれた。
「これって・・・やっぱり・・・その・・・」・・・例の写真が?・・・佐藤はぼくの言いたい事に気付いたのか頷いていた。
「たぶん・・・斉藤さんの写真が・・・」
・・・あぁ、やっぱり・・・ぼくは思いきり疲れてしまった(爆)

「先生、この行列何とかしないと・・・模擬店どころじゃなくなりますよ」佐藤はそう言って、ドアの外を指差した。
「さっきの調子じゃあ・・・和美目当ては確実だしな」
「・・・普通に来てくれればいいのですけど・・・」佐藤の言葉に姉は頷いた。
「いやぁ、和美は人気者だねぇ」そう言って姉は笑ったものの
・・・このままじゃあ他のクラスから苦情くるなぁ・・・
・・・ボーナスの査定に響きかねないなぁ・・・
などと不埒なことを考えていた。

「佐藤君・・・この模擬店は2クラス使っているんだったね?」姉は突然佐藤に聞き出した。
「ええ・・・洗い物とかありますし、休憩用に使っていますけど?」
「そっちの半分を空けられない?」
「一応今は2/3ほど空いておりますが?」
「そう・・・か・・」そう言うと携帯を取りだしどこかに掛け出す姉。
「あ、私・・・今時間ある?・・・畳を8畳、傘を2つ私のクラスまで持ってきてくれない?」
「佐藤君は手の空いている男子に机を移動させておいて・・・それと」
「田中さんは家庭科部よね・・・顧問をよんできて欲しいの、頼めるかな?」
「えーと、判りました」志乃はそう言って教室から飛び出していく。
・・・なにする気だ?・・・突然の姉の行動が判らないぼくはただ姉を見つめていた!

エイホ・エイホ・エイホ!
チュイーン
バリバリバリ!
ガ・ガ・ガ・ガ・ガ(笑)

校舎内とは思えない音がして、隣の教室が改造されていく。
「ほら・・・そこじゃなてくて・・・」なぜか工事用ヘルメット(笑)をかぶった姉が色々指図して男子生徒が動き回っている。
「畳・・・どこ置きますか?」
「ああ・・・そこの角の所に・・・四角く置いてくれるかな?」
「晶先生・・・琴来ましたけど?」
「早いわね・・・それじゃあ・・・端に置いておいてくれる?」
「この灯り・・・なにに?」
「それは・・・こんな風に置いて・・・」佐藤に図面を見せながら指示を出している。
・・・いったい図面はいつ書いたんだ?・・・
そんな事なんて何でもないかのように、佐藤は図面を仕舞い工事を続ける(爆)
「ふむ、ここまでくればもう少しね」汗を拭いながら姉は満足そうに呟いている。
「ね・・姉さん?・・・いったいこの教室どうするつもり?」
「ホーホッホッホッホ!」
高らかな笑い声とともに自信一杯の姉は
「まあ、見ていなさいな♪」そう言って工事の進行を満足そうに見つめている。

「先生・・・来てもらいました・・・」志乃がハァハァ言いながら隣の教室から顔を出して言うと
「佐藤君後お願いね・・・和美、エリーさん来て」姉はそう言って、教室から出て行く。
そんな姉を、ぼくとエリーは不思議に思いながら後をついていった。
「和美は紅が似合いそうね・・・エリーさんは刺繍のがいいかしら?」そう言って振袖を色々と合わせている姉!
「・・・姉さん、まさかこれをぼくに?・・・」振袖を持って睨むぼくに姉は笑っている。
「だって今のままじゃあ和美危ないでしょ?」姉はそう言ってエリーに振袖を合わせている。
「危ないって?」
「このままじゃあさっきみたいなこと・・・これからも起きるわよ」
・・・確かに・・・男子生徒に囲まれて動けなかったのは、つい先ほどの事だったのだ。
「でも・・・それと振袖が?」
「大丈夫・・・お姉ちゃんに任せなさいって♪」そう言って着付けを始めた。

「姉さん・・・これやっぱり・・・」ぼくは教室の前で中に入るのを躊躇っていると、姉はドアに手をかけると
「お待ちかね!・・・和美とエリー、振袖ばーじょん!」そう言ってぼくとエリーの背中を押していた。
・・・また佳子たちになにか言われる!・・・目を閉じたまま押されて教室に入ると、なぜかシーンとしていた。
・・・ほっ、そだね、皆浴衣だし余り変わらないからきっとなんとも・・・ぼくはそう思って目を開けると

「「「「・・・ホォ〜・・・」」」」

なぜかぼくとエリーを見て、口を開けたままでいる。
「ど・・どうしたの佳子?」固まっている佳子にそう話し掛けると
「・・・二人ともすっごくキレイ!・・・」そう言って目をトロンとさせている。
・・・え?キレイ?・・・そう言われ、今度は佐藤を見ると顔を赤くしている。
「よしよし・・・予定通りだわ」姉はそう言って、出来あがったばかりの茶室に目を向けた。
「よし・・・開店するよ」姉の号令で皆が正気に戻って、予定の場所についていく。
「和美とエリーはこっちね」そう言って畳の上に座らせ
「和美・・・お茶よろしくネ!」そう言ってドアを開けた。

「「「和美ちゃんどこ?〜」」」
ドアからなだれ込んできた男子生徒が、椅子に座るなりそう言ってぼくの事を探しているようだった。
「・・・おい、いないじゃないか?・・・」
「いや・・・どこかできっと・・・」
そんな事を言いながら彼らは、しつこくぼくを探しているみたいで

「えぇと・・・”すぺしゃる・えくせれんとVIP茶室(笑)”?なんじゃ、そりゃ?・・・」

と、ぼくとエリーのいるこの茶室を見つけ、余りの名前に唖然とする彼ら!
「「「まさか、ここか・・・あ、和美ちゃん!」」」数人の男子がぼくに気付いて、茶室に入ろうとしてきた。
・・・今だ・・・ぼくは脇のスイッチを押しラジカセを動かす(笑)
ボロボロボロ〜ン
琴の音色が茶室全体に響き、入ろうとしていた男子生徒が瞬時に固まる!
ぼくは茶碗を取り出して、シャッシャッシャッとお茶を入れていく。
エリーは器からお茶受けを取り出し、袖が絡まないようにそっと置いていく。

「「「ハァ〜」」」

入り口でそんなため息がして、誰も入ってはこなかった。

「ハイハイ・・・見ているだけじゃ邪魔よ」姉がいつのまにか振袖を着ていて、入り口でそんな事を言っていた。
「たかがお茶よ?・・・情けないなぁ」そう言って男子を見渡していると
「君・・・行きなさい!」そう言って一人の生徒を押し出し、茶室に入れた。
「おいおい・・・大丈夫か?」入り口でそんな声がして彼が振りかえり
「た・・・たかが、お・お茶だろう・・・」そう言って、ぼくの前にドカっと座った。
エリーは器からお茶受けを取り出し、そっと彼の前に置く。
「あ・・ありがと・・・」震えながら口に運び
「う・うまい・・・」そう言って飲み込んでいる。
ぼくは新しい器を取り出しお茶を入れと、お茶の香りが茶室一杯に広がっていく。
「どうぞ」そう言って彼の前に置くと、震えた手で茶碗を持ち上げそのままこけた(爆)
「あらら・・だらしないわね」姉がそう言って別な男子に目を向けると、クモの子を散らしたように男子がいなくなっていく!
「根性無いなぁ」姉はそう言って高らかに笑った!
結局、数時間で来たお客さんは先生だけだった。

「お客さん来ないね」ぼくがそう言うとエリーは苦笑している。
「ワタシの着物・・・可笑しいのかな?」エリーはそう言って、ぼくを見つめる。
「そんな事無いよ・・・エリーとってもキレイだよ」ぼくがそう言うと、エリーはにっこり微笑んだ。
「まだ・・・やってる?」姉がドアから中を見渡し、そう言って校長と入ってきた。
「伯・・校長先生?」ぼくは驚いてついそう聞いてしまった。
なぜなら、校長は着物を着ていたからだ!
「あ・・・これか?似合うだろう?」そう言って笑ったけど、ぼくはどう答えていいのか判らなかった。
「しかし・・・こうして見ると・・・」そう言ってじろじろ僕たちを見つめ
「・・・噂通りの別嬪だな・・・」そう言ってオヤジ目(爆)で見ている。
「うちの高校にこんな美人がいるとは・・・」
「あの・・・校長・・・先生?・・・」ぼくがそう聞くと、畳に上がりきちんと正座して
「ああ・・・一服頼むよ」そう言って、凛とした佇まいを見せている。
「・・・はぁ〜・・・」急に変わった態度にまた圧倒されてしまい、ぼくは言われるままお茶を入れはじめた。
「どうぞ」そっと差し出すと、見事な動きでお茶を口にしていた。
・・・すごい・・・ぼくは校長の動作にそう感じて何も出来なかった。

「デモ・・・サスガだわね、校長センセ」出ていった校長を目で追うようにエリーはポツリ呟いた。
「なにが?・・・エリー」
「サッキ、お茶ノンデイタデショ・・・一番カッコヨカッタヨ!」エリーはそう言ってなぜだか興奮気味だった?
「エリー?・・・どうかしたの?」
「だって和美・・・着物・フジヤマ・サムライ・・・日本ノ文化ね」エリーはそう言ってぼくを見つめた。
・・・おいおい、今時そうなんかい?・・・エリーの持っているあまりな日本のイメージにぼくは倒れそうになった。

「おはよ−・・・エリー!」校門で彼女を見つけ、ぼくは走りながら彼女に近づいった。
「オハヨ−和美♪」エリーは立ち止まり、ぼくに手を振って待ってくれた。
「キノウ、楽しかったね」エリーはそう言って笑っている。
「うん・・まぁ・・そうかな・・・」
「ワタシ・・・留学してきて勉強しないで文化祭・・・なんちゅう学校だと思ったよ」
「あ・あはは・・・そだね」なんて言って良いか判らず、ぼくは笑って誤魔化すしかなかった。
「でも・・・パパ言ってた・・・”楽しいから好きになれる”って・・・」エリーはそう言うと校舎をじっと見つめている。
「ワタシ・・・この学校、スキネ!」
「そだね・・・ぼくも好きだよ」
ぼく達はそんな会話をして校舎に向かった。

「あれ・・・なんだろ?」ぼくは玄関先に大きな掲示板と人だかりを見つけて不思議に思っていた。
・・・あんなに人が集まっているなんて・・・
「和美、エリー・・・あれ見た?」佳子がそう言ってぼくらに近づいてくる。
「おはよー・・・いったい何あれは?」
「まあまあ・・・自分で見てみなさいよ・・・」そう言いつつ、なぜか笑いをこらえている佳子。
・・・変なやつ?・・・そう思いながら、ぼくが掲示板に近づくと写真が3枚張ってあった!

第3位、晶先生・・・ご乱心♪”

その写真は晶がヘルメットを被っている写真だったのだ(笑)
・・・ゲゲ、いつの間にあの時の工事を・・・
ぼくは驚いて佳子に指差しして、”これ?”と聞いたけど彼女は首を振った。
・・・それじゃあ別のやつかな?・・・違う写真に目を向けると、さっきより大きい字(笑)で

”第2位、振袖美人のおちゃかい(笑)”

そう書いてあって、ぼくとエリーが大きく写し出されている!
「だ・・・だれだ・・・いつの間にこんなの!・・・」「ファンタスティク!」
ぼくとエリーは同時に叫んでいた!
掲示板を見ていた生徒が瞬時に振り返えったけど、すぐまた掲示板を見ていた。
・・・ふぃー、助かったけどまだ凄いのがあるのか・・・
ぼくは一番人の集まっていた写真の前に行き、見上げて言葉をなくした!

”第1位!おじさま!”

そんなコメントと一緒に、校長・・・伯父・・・の写真が貼られていた!
着物を着て歩いている姿は風格を漂わせている。
廻りに写っている生徒、来客はまるで背景にしか写っていない。

・・・ずる〜!・・・

ぼくは校長室を見て、ついそう思っていた!

 

12話に続く


ども、mk8426です。今週の週刊「和美ちゃん」はなんとか間に合いました。
隠れキャラ登場でした(爆)。まあ、上には上がいる、ということで。(違)。

2004.04.21  mk8426

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