和美ちゃんスクールライフ
和美ちゃん6話
作:kagerou6
「皆、荷物を置いたらこの部屋に来て」姉はそう言ってドアから顔を出していった。
僕は荷物を片付けながら窓から暗い海を見ていた。
もう外では、祭りに向かう光で一杯になっていた!
「先生・・・来たよ!」そう言い佳子と亜紀がドアを叩いた。
僕はドアを開けて二人を部屋に入れ、僕は逆に部屋から出て行く。
「ちょっと和美?どこ行くの」佳子はそう言いながら僕の事をジロジロ見ている。
「ちょっと・・・」僕はそう言いながら男子達が泊まっている部屋へと歩いていく。
「田中君、誘惑しないでよ!」後から佳子の声が後を追いかけてくる。
・・・しないって!・・・ぼくは振りかえらずにただ手を振り、なにも言わないで部屋に向かう。
「まったく、なんでそんなに浴衣が、似合うかな・・」今度は亜紀のため息が僕を追いかけてくる。
僕はその声をワザとらしくかわす(笑)と、男子達の部屋をノックした。
「斉藤です・・・姉さんが来てくださいって・・・」ぼくのその言葉にドアが勢い良く開いた!
「まってま・・え!・・」ドアを開けた高木がぼくの事を見て言葉を詰まらせた。
「なんだ?高木・・邪魔ま・・・だ?・・・」後から出てきた田中もそう言って同じ症状(笑)に陥っていた。
「・・・斎藤・・さん・・・」後から出てきた佐藤もそう言って固まる。
しかし、3人の目はぼくの事をジロジロ見ている。
「あ・・・あの・・・」ぼくはそんな3人になんとなく恥かしい気がしてきた。
「こらこら、和美ばっかり見てるんじゃないわよ♪」佳子はそう言ってぼくの脇から前に出ると、田中の顔を見つめる。
「・・・佳子・・・」いきなりの事にどう言ってイイのか判らない田中は少し不満のようだった。
「・・・田中君・・・」佳子はそう言い彼を見つめる。
「なんだよ?佳子」
「和美の浴衣に未練が有るんじゃないでしょうね?」そう言う佳子の声はいつもと違って迫力があった!
「べ・・べつに・・・」田中はそういい、佳子を見つめながら腕を取っていた。
「似合ってるよ・・・佳子!」いきなり言い出した田中の言葉に、廻りは一瞬シンと静まった。
そして、ぼくを含め4人の目が二人に集中していることに気付いた佳子は俯いてしまった!。
「バ・・バカ・・いきな・・り・・」そう言う佳子の顔は赤かった(笑)
「何してるの?皆」姉がそう言いながら、いつのまにかぼく達のところに来ていた。
「先生・・・似合ってる!」高木はそう言いぼくと姉を交互に見ている。
「センセ・・それ、もしかして・・」
「そうよ、高木君・・・和美とお揃いなの♪」そう言いながら姉はぼくの隣に並んで、袖を振っている。
「へぇー、気付かなかったけど・・・な・・・」そう亜紀は言いながらぼく達をジロジロ見る。
「そんな、亜紀まで」ぼくは亜紀を睨みつけたが、彼女は気にもしないで見つめている。
「いいな、和美は浴衣が似合ってるから」ため息をつきながら亜紀は言い出した。
「亜紀、何が言いたいのかな?」ぼくはなにかを含む亜紀の言いようが気になり、聞き返していた。
「・・・べつに♪・・・」そう亜紀は言い、ぼくのスリーサイズを確かめるかのように見ている。
「あ・・・亜紀・・・まさか・・・」
「ん?・・・和美、な〜に♪」亜紀はぼくの聞きたい事に気付いたのか、ちょっとダークな笑顔を見せる。
・・・あ!やっぱり・・・でもな・・・その笑顔に気付いてしまったぼく。
中身が男のこのぼくは出るべきところが出ていない(当たり前;;;)だから、浴衣が似合うと言いたいのである、亜紀は・・・
実際はそうなのだが、今の女のこのぼく(笑)としては、言い返してやらないと拙い!
しかし、どう言い返していいのか思いつかないぼくだったが・・・
「そうかな?山本さんだって浴衣、似合ってるよ・・・うん!」高木はそう言いながら亜紀を見つめていた。
・・・チャーンス!・・・高木の一言にぼくはそう感じて亜紀に微笑む。
「ほら、高木君だって・・・亜紀も同じように似合うって♪・・・良かったね」
「・・・カ〜ズ〜ミ〜・・・」亜紀はちょっと冷たい目を向ける。
「なにかな?亜紀ちゃん」ぼくはそう言いながら亜紀の顔を見つめる。
ちょっと悔しそうな顔をした亜紀をぼくは見逃さなかった。
「さあさあ・・・いつまでもそんな事していると時間がなくなるわよ」姉はそう皆に言う。
「そうだな・・・せっかくの浴衣なんだし・・・」田中はそう言い、佳子と出口に向かった。
「ほら・・・行こう・・・」そうぼくは亜紀の背中を押し、ドアへと向かう。
そんなぼく達に高木達もついて来た。
祭りの会場は民宿を出てすぐの海岸であった。
小さなやぐらが立てられて、上で太鼓が叩かれる。
「いいときに来たね」佳子はそう言いながら田中と腕を組んで歩いている。
「「佳子・・・自分だけ・・」」ついぼくと亜紀は同じ事を言っていた。
「「え?」」また同じ事を繰り返す(笑)ぼく達。
「プ・・・ハハハ・・・」亜紀はそんなことが可笑しかったのか笑い出していた。
「ハァ、佳子にいいようにダシにされちゃったね」僕はそう言って亜紀の手を取った。
「そうね・・・佳子にやられたね・・・」亜紀もそう言って微笑みかえす。
「後で佳子に請求しなきゃ・・・口止め料♪」
祭りにはかなりの人が集まっていた。
出店も多く、勢いのある声が飛び交っている。
「あ、和美・・・あれも」亜紀はそう言ってまた出店に寄った。
亜紀はさっきから買い物ばかりしていて、ぼくは荷物持ちになっていたりしている(笑)
「亜紀・・・また買うの?」
「いいじゃない、せっかくなんだし♪」亜紀はそう言いながら怪しい(笑)アクセサリーをなにやら選んでいる。
・・・まったく、これだから・・・ぼくは亜紀を見ながらため息をついていた。
「亜紀さ・・・こんなに買って・・・」ぼくは両手に袋を持ったまま亜紀に話し掛けたが、亜紀は買い物に夢中で気にもしない!
「亜紀さ〜もういい加減・・・」そうぼくは亜紀に声を掛けたが言葉は返ってこなかった。
「まったく・・いい加減に・・」そうぼくは亜紀に怒鳴ってやろうとしたが、亜紀がコッチを振りかえったので言わなかった。
「あ・・・和美、随分荷物多いのネ」
「あのね〜みんな亜紀のでしょ?」
「そうだっけ・・・ま、私も買ったわね」そう言いながらさっき買った袋からなにやらパンフを取り出してぼくに見せる。
「なに?亜紀それ?」いきなりのことでぼくはパンフの内容なんて判らないでいた。
「この祭りでコンテストがあるんだって!」亜紀はパンフを見ながらそんな事を言う。
「コンテスト?・・・なにそれ?」
「浴衣美人コンテストだって♪」亜紀はそう言いながら歩きだした。
もちろん開いた手はぼくの手を引っ張っている。
「まさか、ぼくまで・・・」
「いいじゃない和美?せっかく海に来たんだから」
「理由になってないよ・・・亜紀」ぼくは亜紀にいい返した。
「二人で参加します♪」亜紀はそう言って受付に名前を書きこんでいる。
・・・まったく、こんなの・・・ぼくは今更亜紀にそんな事言えず、ただ黙って見ていた。
「斉藤さん、山本さん」いきなり後ろから声がしてぼくが振りかえると佐藤と高木が立っていた。
「二人ともこれに出るの?」高木はそう言って看板を指差した。
「亜紀がね・・・ぼくは付き添い」そう言ったが二人は信じてないようだった。
「荷物は持ってるから」そう佐藤は言い、ぼくから荷物を取った。
「いいよ・・・亜紀しか出ないから」ぼくがそう言って取り返そうとすると、高木は亜紀の所に言ってなにやら話をしている。
「和美ハイ!」そう言って亜紀はぼくにNoプレートを差し出した。
「ホントにぼくまで出るの?」
「当たり前でしょう・・・私一人なんて恥かしいじゃない・・・それとも」亜紀はそう言いぼくを見つめる。
「和美・・・一人で出たかったの?・・・もしかして♪」亜紀はぼくにプレートを付けながらそんな事を言い出した。
「そんなわけ・・あるはず・・・・・亜紀?・・」ぼくは亜紀の胸を見て喋れなくなってしまった。
亜紀はNoプレートを付けていなかったからだ。
「亜紀?・・あの・・」ぼくが聞こうとする前に亜紀は笑っていた。
「今ごろ気付いたの?・・・和美は♪」
「まさか・・亜紀・・・」
「ほら・・・後♪」亜紀は楽しそうに言い、ぼくは振り返った。
そこには佳子他(笑)がいたからだ!
当然姉も;;;
「皆・・・もしかして、はじめからぼくの事・・・」ぼくはいつのまにか来ていた佳子にそう話掛けた。
佳子はなにも言わず、ただ微笑んでいる。
他の男子も同じようにぼくの事を見ていた。
・・・こいつら(怒)最初からぼくを・・・ぼくは皆を睨みつけたが、そんな事など誰も気にしていない(涙)
「ほら♪・・・いって、和美♪」佳子はそう言ってぼくのお尻を押している。
「佳子・・・そんなとこ触んなくたって・・・」佳子にそうモンクを言い、なんとか逃げ出そうとしたのだが無駄だった。
「そんな事言って逃げ様なんて甘いわよ!」そう言われ、亜紀も一緒になってぼくを逃がさない様にしていた。
「二人とも・・・もう夏休みの宿題見せてやらないから・・・」そう言うと少し押す力が弱くなった気がしたが・・・
「二人とも・・・佐藤がついてるぞ!」そう言う高木の声にまた力が強くなった!
どうやら高木は佐藤を味方につけたようだった。
佐藤はそんな事を言われても否定なんかしないでぼくを見つめている。
「佐藤君!」ぼくはそう言って睨んだが、高木のニヤニヤした顔に阻まれてしまった。
「二人とも・・・もう・・・」ぼくはとうとう舞台に押し上げられてしまった。
・・・こんなとこ、ヤダよ・・・後ずさりするぼくを二人は押し留めようとしていた。
「もう・・・こうなったら・・・」ぼくは逆に二人の手を引っ張って、ぼくより前に押し出した!
「「か・・・かず・・・」」二人は驚いてぼくの影に隠れようとしたが、もちろんそんな事は許さない(笑)
嫌がる(謎)二人を舞台の中央に押していく。
司会は・・・そして参加者?の娘達は・・・唖然としてぼく達の事を見ていた。
「あ・・あの・・・」司会はぼく達の様子に嫌がらせと感じたのかそう聞いてきた。
「一番可愛い娘が・・・参加者です!」ぼくは司会のマイクにそう言いきり(笑)亜紀と佳子に笑った。
「あ・・あぁ・・なるほど!!・・・判りました♪」
なにが判ったのか知らないが、司会はそういって袖に向かうと、なにやらボソボソ話をしている。
「ちょっと楽しい・・・もとい、ハプニング(笑)がありましたが・・・」そう言ってぼく達の事をチラチラ見ている。
「では!第一回・・・浴衣美人コンテスト♪」
司会の言葉に会場にうねりが起き、爆音(謎)が響き渡る!
結局ぼく達3人は出る事になっていた。
「では・・・最初に・・・1番の・・」そう司会が脇にいた娘を呼ぶ。
彼女は舞台?の中央まで行くと、クルリと廻りポーズを取った!
湧き上がる歓声?とフラッシュ!
「・・・それでは・・・次の・・・」司会の言葉に彼女は反対側から舞台を降り、次の娘が中央へと歩いていく。
「・・・では・・・次の・・・」司会はどんどん呼んでいく。
・・・?・・・なんだか変だな?・・・ぼくは自分の出番(謎)を待ちながら、司会の呼ぶタイミングが違う事に気付いた。
可愛い・・・ぼくから見て(汗)・・・娘は長い事中央にいるようなのだ。
・・・司会は自分の好み(趣味?かな)の娘を長く見たいのかな?・・・そんな事を考えていると亜紀が呼ばれた。
亜紀はこんな予定ではないとばかりに俯いたまま舞台の中央へと歩いていく。
「愛想ないぞ〜」野次が飛んだが、亜紀にはそれに答える余裕などない。
「大人しい方ですね・・・では・・・」そう司会は言って佳子が出て行く。
佳子は一応(笑)恋人のいる手前、亜紀と同じように振舞っている。
・・・佳子、地を隠してる〜・・・ぼくはそう感じたが、ここから言えるはずもない!
そう思っていたがバカがいた(笑)
「佳子・・・いつもと違うじゃないか?」そう高木が言い、会場を笑いが覆った!
睨みつける佳子に高木は肩をすくめる・・・わけもなく、笑っている。
「この〜」佳子はいきなり草履をぬぐと高木に向かって投げつけた!
パッコ〜ン!!
イイ音がして高木は撃沈(笑)した。
そのまま佳子は何もなかったかのように袖に降りていく。
・・・コワ〜・・・そんな声が会場に笑いと共に流れていた。
「これはまた・・・で・・では・・・最後の・・・」そうぼくは呼ばれた。
ぼくが歩いて中央まで行くと、いくつもの視線が僕に集中している事に気付いた。
・・・なんで〜?・・・あ、最後だからかな?・・・ぼくはそう思いつい手を振ってみた。
「えーーあーー」司会はそう言いながらぼくの隣まで歩いてくると、持っていたマイクをぼくに差し出した。
「お名前は?」司会はそうぼくに聞いてくる。
「あ・・・斉藤です・・・」ぼくは司会を見ながら答えた。
「斎藤さん・・・下の名前は?・」
「ないしょ!」ぼくはそう言って笑うと、会場も爆笑に包まれた?
「楽しい人ですね・・・今日これからは?・・・」司会はそう言ってまたマイクを差し出した。
「コンテストの賞金を貰ってかえります(笑)」
「え?」司会は驚いてぼくを見つめる。
「え〜・・賞金出ないんですか〜・・・まだわた飴買ってないのに〜(笑)」笑いながら聞き返すぼくに、司会も笑っていた。
「それでは結果の発表です」司会はそう言ってぼく達の方を見ている。
「はじめに・・・屋台長賞(なんだそりゃ?)・・・」司会はそう言った。
ざわめきのなか、人の名前が呼ばれ舞台に上がった。
「この賞は屋台を出店している・・・」司会がそう説明を始めると、会場から笑いが溢れ出す。
「では次の・・・」司会は次々と珍妙な賞をもっともらしい口調で読み上げ説明している。
その都度、会場には笑いが起き、どう答えてイイのか判らない娘が舞台に上がっていく。
そして、本番ともいうべき準ミスの発表がはじまると会場はシンとした!
「では準ミス二人目・・・エリーさん!」司会はそう言うと、スポットライトが背の高い娘に向けられた。
会場の目が一斉にその娘に集中すると、その娘は舞台に上がっていく・・・長い金髪をなびかせて・・・
「エリーさん、おめでとうございます」司会はそう言って彼女に賞品を渡しマイクを差し出した。
「どうも・・・嬉しいです」彼女はそう言い別の役員につれられ椅子に座った。
「エリーさんは外国の方です」そういう司会にエリーは手を振っている。
「・・・反則なんじゃないのかな?・・・」佳子はもうコンテストに出ていた事なんて忘れそう言っている。
「イイじゃない?記念になるだろうからさ」ぼくがそう言うと亜紀は頷いた。
「では最後にミスですが・・・」そう言って司会は大きな箱を中央へと持ってきた!
その箱の大きさに会場にはざわめきが起き、コンテストに参加していた娘は自分の隣の娘を見て落ち着かないでいる。
・・・すげ〜!あんな大きい箱の中は一体なんだろう?・・・廻りが落ち着かない中、ぼくはそんな事を考えていた。
どう考えてもぼくには関係があるはずない・・・亜紀とか佳子とかいるし、他にも可愛い娘が多い・・・からだ。
ぼくはただ箱に興味があって見つづけていた。
「えーこの箱の中身は・・・今回のミスの口にした言葉です!」司会はその言葉を思い出し、なんとか押さえているのがここからでも判った。
・・・誰なんだろ?、そんな事言っていたの?・・・司会の言葉がぼくは気になって仕方なかった。
「いい加減早くしろ!」会場で待っている参加者もギャラリーがもう爆発寸前な感じだ。
ここでもし、おかしな事を司会が言うようなら明日の朝、海!に浮かぶ事だろう・・・そんな雰囲気だった。
会場の殺気?を感じたのか司会は会場に向かい一つ咳ばらいをした。
一斉に司会を見つめる会場の目!
もちろんぼく達も例外では無かった!
そして、司会は重い口を開いた!
「賞品はわた飴なんです!(笑)」
・・・えーと、わた飴?・・・そんな事言っていたのは・・・ぼくは自分の記憶回路?を総動員していた。
・・・亜紀じゃない佳子、違う????・・・もう、誰だっけかな・・・
「和美・・・早く舞台に上がりなさいよ」亜紀はそう言いぼくを引っ張る。
「亜紀?なんでぼくが舞台に?」ぼくはそう真剣に聞き返していた。
「あんたね〜・・・さっきの事聞いてないの?」亜紀は呆れたようにぼくの事を見つめた。
「だって・・・”わた飴”なんだろ?ミスは・・・」ぼくはそう亜紀に答える。
「知ってるじゃない!・・・だから、早く!」亜紀はそう言って握った手に力を入れた。
「だから?・・・亜紀?」
「もう!・・・あんた以外にわた飴なんて言った娘、いるわけないでしょう?」亜紀はそう言って顔を膨らしながら、ぼくの手を引っ張っている。
・・・ええーと・・・ぼく以外にいない?・・・それは・・・つ・・・ま・・・り・・・ええ〜!・・・
亜紀の言葉に意味をようやく理解したぼく(笑)
「亜紀・・・嘘だよね?」ぼくは舞台の手前で亜紀に聞き返したが、亜紀は笑いながらぼくを押し上げた。
「ようやく来ましたね・・・ミスわた飴(笑)」司会はそう笑いながらぼくを席に案内している。
「あの〜、間違いとか冗談とかギャグとかじゃ・・・」ぼくはそう司会に話掛け、これは夢だと思いたかった。
「いいえ♪・・・間違いでも冗談でもギャグでもありません!」司会はそう言い切り!準ミスの間の席にぼくを座らせた。
とたんにフラッシュが焚かれ、光に包まれた。
ぼくはため息をつきながら苦笑いしていた。
「オメデトウ・・・ミスわた飴・・・」帰る途中、さっきの金髪の彼女がぼくに話掛けてきた。
「ありがとう・・って答えるべきなんだよね」
「答えるべき?・・・いったい・・・」彼女は驚いてぼくに聞き返した。
「あ・・・えーと・・・」ぼくはどう言っていいものか考えあぐねていたのだ。
このまま思った事を言えば彼女を含め参加した人全てに失礼になる!
かといって、誤魔化す事も彼女に対して・・・
ぼくはそう考えると何も言えなかった。
「ミスわた飴・・・優しい人ね」彼女はそう言ってぼくの事を見つめる。
「・・・なんで?そんな事・・・」
「相手の事考えて言えないの・・・優しい人だから・・・」彼女はそう言い、ぼくの手を握った。
「そんな事考えてないの・・・でもね・・・」俯きながら答えるぼく。
「そこ!よ・・・ミスわた飴・・・わたしの事も考えてくれているから・・・」そう言って彼女は寂しそうに笑った。
「どうかしたの?・・・貴方・・・」顔を見てそう言っていたぼく。
「うん・・・秋から日本に留学する事になったの・・・」彼女は言う。
「そうなんだ!良かったじゃない」
「良かった・・・のかな・・・」彼女はそう言いながらぼくの事を見つめている。
「なんでさ?日本は良いとこだよ?」ぼくは彼女に言い返した。
「そうよ・・でも・・・えー・・・」彼女はそう言い苦笑いしている。
「ぼく?・・・和美・・・かずみ!って言うの」
「かずみに会えて良かったけど・・・もうかずみには・・・」そう言い寂しそうな顔をする。
「あの・・えーと・・・」
「わたし?エリー花岡!・・・エリーって呼んで♪」
「じゃあエリー?・・・ぼく達はもう友達でしょ?」そう言い今度はぼくから手を握った。
いきなりの事に彼女は驚いている。
「もし・・・もしも、辛い事あったらここに連絡して!」ぼくはそう言い持っていたパンフの裏に携帯の番号を書き入れ、彼女に握らせた。
「かずみ?の携帯・・・」
「そう・・だから、相談になるからサ」そう言うと、彼女はぼくに抱きついてきた!
「良かった・・・母の国に来て・・・」そうエリーは言いながらぼくの事を抱きしめている。
余りの事にぼくはされるままであった。
「かずみ、ありがと・・・わたしは良かったよここに来て」彼女はそう言いながら帰っていった。
ぼくも彼女に手を振りながら民宿へと戻った。
「遅かったのね?和美」帰り着くと姉が玄関でぼくの事を待っていた。
「そう?ちょっとね」ぼくはそう答え玄関を開けた!
祝!ミスわた飴(笑)
・・・ひぇ〜!なんだこりゃ・・・玄関を入ってすぐに垂れ幕が掛かっていたのだ!
そしてなぜか別のお客も脇に立っていた。
突然の事に立ちすくむぼくに、後から入って来た姉は優しく教えてくれた。
「ここにいる人にサインをすると私達はタダなんだって!」
本当に優しい姉であった。
驚く間もなく亜紀と佳子がサインの段取りをしている。
「早く和美!・・・いそがないと朝になるよ♪」
本当に優しい友人?だった。
翌日ぼくは腕が上がらなかったのは言うまでもない。
7話へ続く
ども、mk8426です。今週の週刊「和美ちゃん」でございます。
というわけで、ミスわた飴の誕生です(笑)。エリーちゃんもいい娘ですね。
2004.03.17 mk8426