和美ちゃんスクールライフ
和美ちゃん5話
作:kagerou6
冬に転校してはや六ヶ月、友達も出来てぼくの新しい生活はなんとか上手くいっている。
だが、ある意味最悪の季節がやってきてしまった。
そう、夏・・・薄着の季節が・・・
幸い、学校にプールが無い為(これを父は知っていたのだろう)学校ではなんとか誤魔化しとおせた。
しかし、遊び人(笑)佳子が友人となり時間のある夏を無事に過ごせるとは思えなかった。
そして、夏休みといえば宿題が出る!
宿題といえば・・・
そしてその日はやってきた!
「和美・・・勉強教えて?・・・」朝、ご飯を食べていると佳子が乱入していた!
ぼくが姉?のところに下宿している事は皆に知れ渡り、夏休みになってからますます遊びに来る連中が増えてしまった!
姉の”奥さん”の事を紹介できるはずも無く、”海外出張中の兄の奥さん”と言って誤魔化している。
いつまで誤魔化せるか判らないが;;;
「ねえ・・・和美・・・海に行かない?」佳子は宿題を写しながら、そう僕にいった。
「・・・け・・けいこ?・・い・・今・・なんて?・・」
「だから・・・海にいこうって・・」そう言いながら数学のプリントを写している。
「・・・うみ・・・」
「?・・・そうよ・・海!」佳子は僕を見つめそう言った。
「和美・・・海嫌いなの?」
「そ・・そんな事・・・無いけど・・・ぼく、行かない!」
「なんで〜?・・・和美遊ぼうよ・・・皆誘って・・・」佳子はそう言って次のプリントを写し始める。
「でも・・・ぼく・・・」
「ア・・・和美・・・もしかして・・・」佳子はプリントを写すのを止めぼくを見つめた。
「自信ないんでしょ?」
「何が?」ぼくは佳子に聞き返す。
「水着になるの!」
「・・・・・・」
「ア・・・怒った?・・・和美」
「ね・・行こうよ!和美・・・」佳子はしつこく誘ってくる。
・・・しかし遊びたいけど、ばれるよな!やっぱり・・・
「和美?・・・行こ?」
「あんまり・・・しつこいと宿題見せないから・・・」ぼくはそう言って佳子を見つめた。
佳子にとってそれは死刑宣告にも等しい事なのだろう!
急に静かになった。
「静かにお勉強か・・・感心ね」姉はそう言って飲み物を持って来てくれた。
「先生はどこかに行かれないのですか?」佳子はジュースを受け取りそう姉に言う。
「そうね・・・行こうとは思うけど・・・」ちょっと考えたそぶりをして佳子に言う。
「・・・いいところが無くて・・・」姉はそう答えていた。
「じゃあ・・・皆で海に行きません?」佳子は言い出した。
姉を巻き込んでぼくを連れ出そうというのだろう、魂胆が見え見えだ!
「佳子・・・一人で宿題終わせるんだ・・・頭いいんだね〜」
「か・・和美・・」佳子は慌ててぼくを見つめた。
「ぼく行かないよ!・・・イイよね、佳子?」
「それじゃ・・・計画が・・・」
「計画?・・・佳子」
「・・・・・」
「じゃあ・・・宿題はこれまで・・・イイよね佳子ちゃん?」
「言うわよ和美・・・言うから・・・」
「実はサ・・・田中君から誘われてて・・・」佳子は自白?しだした。
「田中君?・・・だれだっけ?」
「窓際にサッカー部の・・・」佳子はそう教えてくれた。
「で・・・一人きりだと・・・ね・・・」そうため息をつく佳子。
「それで・・・ぼくを?・・・」自分を指差しながら佳子に聞くと、佳子は頷いた。
「向こうも何人か誘ってくるから・・・それで・・・」
「ぼくで無いと拙い訳じゃ無いんでしょ?」
「でも・・・和美・・・人気あるし・・・」
・・・え!・・人気あるの?ぼく・・・いきなりそんな事を言われぼくは佳子を見つめていた。
「あたしだって和美と一緒の方が楽しいし・・・それに・・・」
「和美・・・彼氏いないと寂しいよ?」そう佳子はぼくを見つめる。
「・・・彼氏・・か・・」
「行こうよ・・・和美」
「でも・・・やっぱり・・・」
・・・うみ・・どうしよう・・・プリントを写している佳子を見ながら呆然とするだけだった!
「・・・行けば?・・・和美・・・」食器を洗いながら、姉はそう僕に言った。
「姉さん・・・あのさ・・・」
「何・・・あらたまって?・・・」
「行けると思うの?・・・海に?・・・」一緒にいたはずなのに姉は悠然としていた。
「・・・何が心配なの?・・」姉はそうぼくに笑いながら言った。
「心配って・・・・姉さん?」
「良いじゃない・・行きましょ、夏なんだし・・・」姉は笑って言う。
「そんな〜・・行けっこないよ・・・」僕は食器を片付けながら言う。
「なんで?・・・海ぐらい・・」
「海ぐらいって・・姉さん?」僕は姉を見つめる。
「僕・・・水着なんて・・・」
「あ・・和美・・水着無いんだっけ?」
「無いも何も・・・僕、男の子だよ?」
「え・・・何言ってんの・・」姉はそう笑い僕を見つめる。
「何が心配なの?」
「だって・・・ほら〜」
「水着は私が買ってあげるから・・」姉はそう僕を見て笑う。
「え・・・でも・・」
「私に任せなさい!」
姉はそう言って部屋に入っていた。
「姉さん?・・どこに行くの?」翌日、僕は朝から姉の車に乗せられていた。
「良いとこ!」姉は運転しながらそう答える。
「”奥さん”・・置いてきて・・・よかったの?」
「あ・・”彼女”・・・ちょっと」
「え・・なんで?」
「・・・内緒!・・・」姉は答え、駅前の駐車場に車を入れた。
姉は車を降りるとキョロキョロ廻りを見ている。
「あ・・・ココ・・・佳子ちゃん!」そう言って姉はいきなり手を振り出した。
・・・佳子?・・・姉さんまさか佳子;;;・・・ぼくがそんな事を考えているとクラスの何人かがこっちに歩いてくる。
「遅かったですね・・・先生」そう佳子は言った。
「ちょっと・・・で、何人くらいかな?」
「今のとこは・・・田中君と佐藤君、高木君・・亜紀とあたし・・・」佳子はそう答えている。
「車で移動するには丁度いいわね」姉はそう言うとぼくを見つめた。
「姉さん・・・佳子・・・いつのまに・・・」・・・この二人は、いつこんな計画を・・・
「だって和美、あのままじゃ来ないと思って・・・実力行使!」佳子は笑った。
「晶・・・車これでイイの?」そう言って1BOXカーが入ってきた。
「姉さん・・・ありがとう」姉は奥さんにそう言った。
「じゃあ・・・私は帰るから・・・」そう言ってぼく達が乗ってきた車で出て行く。
「姉さん、佳子・・・諮ったな!」
「なんで?・・・・皆が和美と遊びたいって言うから私はさ・・・」そう惚ける姉。
「いいじゃない・・・和美だって一人より楽しいわよ」佳子はそう言う。
「じゃあ・・・乗って!」姉はそう言って皆を車に押しこんだ!
「姉さん・・・どこ行くの?」完全に諦めたぼくは運転している姉に話掛けた。
「このまま海まで・・・」そう言って姉は東へと走らせる。
「途中で買い物するけど・・・逃げるなよ?」姉は運転しながらそうぼくに言う。
「今更・・・逃げないよ」
「どうだか・・・ま、逃げてもいいけど・・・お金があればね」姉はそう言って笑った。
実際、急に連れ出されたのでお財布に余りお金が入ってなかった。
カードは使わないと置いてきたし!
「・・・休憩、しないよね・・・」姉を見つめてぼくはため息をついた。
「するけど・・・1時間は後よ」姉はそう言った。
・・・1時間走られるともうどこかは判らないな・・・ぼくは完全に諦めた。
駅が判らないとタクシーを使うしかないが、使えるはずがない。
ぼくはこのまま一緒に行くほか無かったのだ!
「・・・さて買い物・・・」姉はそう言って途中にあったデパートの駐車場に車を入れた。
予定より長く運転していたのでもう海の近くに来ていた。
「姉さん・・・何を買うの?」
「なに言ってんの・・・貴方の水着に決まってるでしょ?」
・・・え・・・ぼくの・・・
「和美知らなかったんだもの・・・水着無いじゃない」佳子がそう言う。
「それとも和美・・あたしの赤のビキニ貸そうか?」亜紀は笑いながら言った。
ぼくはただ俯くだけだった。
車を止めると、男子はキャンプコーナーに歩いていく。
ぼくは姉と佳子、亜紀に腕を掴まれたまま婦人服コーナーに・・・・
「和美・・・お子様体形だから・・・コッチかな・・・」佳子はワンピースの水着を持ってはしゃいでいる。
「だめそんなの!・・・今はこれ!」亜紀は流行のビキニを取ってぼくに押し付ける。
「皆・・・和美の意見を聞かないと・・・」姉はそう言いながら赤い水着を僕に差し出す!
「「「どれが言いの?」」」3人はそう笑いながら迫ってくる。
ぼくはため息をついて受け取った。
・・・何を選べっていうんだ!まったく・・・試着室の中で見ながらぼくは考えこんでいた。
「和美・・・着られないの?・・・手伝おうか?」表から佳子の声がして二人の笑い声が聞こえた。
・・・まったく・・・?・・・ぼくはその声を聞きながら水着を見ていると脇に袋が置いてあった。
”これを使って”そう姉のメモも入っている。
どうやら姉はこうなる事を考えてコレをいれてくれたみたいだ。
ぼくは佳子の選んだ水着を手に取った。
「いい?・・・開けるよ?」佳子はそう言ってカーテンを開けた!
「ほら・・・あたしの勝ち!」佳子は笑いながら言う。
「和美・・・似合ってるな・・・ワンピ・・・」亜紀もそう言ってぼくを見つめる。
「でも・・・お子様だな和美は・・・」
「胸をお尻も無いもんね!」佳子と亜紀はそう言ってまた笑った。
それから買い物を終わらせたぼく達は、車に乗って海へとまた走り出した。
結局ぼくは水着2着(もう1着はパレオつきの花柄ワンピース)とパーカーを買っていた。
「姉さん・・・2着もいらないんじゃ・・・」袋を膝元においてぼくは姉に話掛けた。
「・・・内緒!・・今に判るわ・・・」姉はそう言っている。
海に着いた僕達は着替えて(佳子の選んだワンピ)海に出た。
「斉藤・・・可愛いジャン」ぼくを見てそう言う田中・・・
「佳子が選んだんだ・・・・」ぼくの言葉に佳子を振り向いた。
「なんでビキニ着させないんだ?」
「和美・・・お子様だから・・・」
「なんだ・・・そうは見えないが?」
「あんたは見なくていいの!」
そんなやり取りを聞いて他の皆は爆笑していた!
「でも・・・斉藤さん・・・」なぜ堅物の佐藤君(彼は委員長)のか判らなかったが、彼はぼくを見つめて話掛けてきた。
「なに・・・佐藤君」
「・・・可愛いよ・・・斉藤さん」彼はそう言って顔を赤くした。
・・・おいおい、立場が違うだろ?・・・そんな彼を見てそう言いたくなるぼく。
「なに見つめあってんの?二人は・・・」そう亜紀が茶々をいれ、また廻りが爆笑した!
・・・まさか水着を着るなんて・・・波に漂いながらそんな事をぼくは考えていた。
水着は見るもの(笑)だと思っていたからだ。
「・・・和美?・・・」海岸でぼくを呼ぶ声がしてぼくは戻っていった。
「なに?佳子」
「・・あのさ・・・」佳子はそう言って近付くとぼくの肩を見つめる。
「あ・・・こんなに焼けてる!」そう言って水着をずらす佳子!
「あ・・・ばか・・・止め・・・」ぼくは慌てて元に戻したが皆に見られた!
姉にも亜紀にも男子にも・・・
「いや〜斉藤、色白だな・・・線がくっきり・・・」田中君はそう言って笑うと佳子に睨まれた。
「あんたは見なくていいの!」
「なんだよ・・・あんなコトすれば・・・」
「見ちゃダメ!」
「なに痴話ゲンカしてるんだ?」高木君が言うと他の皆が笑って二人は俯いてしまった。
「さ・・・定番スイカ割り・・・」姉はそう言ってどこからかスイカと棒を出してきた。
戦い(笑)すんで着替えて外に出るともう六時を回っていた。
「コレじゃ帰りつくの10時過ぎるね」ぼくがそう言うと亜紀はニヤニヤしている。
「亜紀・・・何がおかしいの?」
「あれ〜・・聞いてない和美?」
「何を・・・日帰りでしょ?」
「・・・そう思うの?この時間で・・・」
「今日はここで祭りもあるようだから・・・夜が楽しみね!」佳子はそう言って田中君を見つめている。
田中君も楽しみにしているのか顔に笑みを浮べている。
・・・え・・・佳子たちと泊まり・・・ぼくはもう皆の声が聞こえなかった。
6話へ続く
ども、mk8426です。今週も週刊「和美ちゃん」ですよ〜。
き・季節が・・・(爆)。ま、再録ならではの宿命ですな(違)。いずれにしても、この雰囲気はたまりません。お泊まりお泊まり♪
2004.03.10 mk8426