和美ちゃんスクールライフ
和美ちゃん 3話
作:kagerou6
「姉さん・・ちょっと待って!」僕はマンションの入り口で”姉”の手を振り解いた。
「ここまで来て・・・どうしたの和美ちゃん・・・」
「だって伯父さんに言ってないから・・・まずいの・・・」僕はそう”姉”に言う(姉とは僕の本当の”兄”の事である・・・あーあ)
「どうして伯父さんなら・・別に問題あるはずが・・・」
「お父さんから夜に連絡があるの!」僕はそう姉に言ってマンションの前で立ち止まった。
「お父さんから和美に?・・・どうして」姉は一旦言葉を止めた。
「僕は・・”今日始めてここに来たんだよ”?姉さん・・・」僕はそう話しかける。
「だから・・どうしたのよ・・・」
「だから・・・”上手くいったか”とか聞きたいんじゃないのかな・・・お父さんは・・・」僕はそう答える。
「ふーん・・・あの親父がね・・・」姉は”腕”を組んでうなり出す。
「姉さん・・・オトコに戻ってるよ!」僕はそう笑いながらいう!
「あら・・・”私”としたことが・・・」いきなり化ける姉!
・・・やっぱり・・・ついて行けないかな?・・・僕は姉を見てそう思っていた。
「姉さん・・・僕はね・・・」僕はそう姉に”ワケ”を話す事にした。
・・・このまま、この人のペースに持ち込まれたら、絶対バレる!・・・
「・・・そんなワケなんだよ・・・姉さん」
「じゃあ、和美はホントは家を継ぐ気が無いわけなんだ・・・」
「”貴方”がいてくれれば・・・遊べたのに・・フゥー・・・」僕はわざとらしくため息をついてみせた。
「そしたら遊べないに決まってるじゃないの」姉は笑いながら言う。
「なんでさ・・・姉さん?」
「バカね・・・”俺”が持てたのは”家元の後継ぎ”だからなんだぜ!」そういって笑った。
「でも・・・好きにやってたくせに・・・」
「・・それは・・そうだけど・・・」
「いいよね・・・遣りたい放題やって逃げちゃった人は・・・」僕はそう言って姉を見つめた。
姉はなにも言い返してこなかった。
・・・よし!・・・このまま押しきって・・・僕はそんな姉を見ながら考えていた。
「それに・・姉さん・・・」僕は話し掛けることにした。
「なによ・・・和美・・・」姉の声は落ち込んでいるそんな声であった。
「・・・もしも・・・”今”のこと知れたら・・・」僕はそう話した。
「・・・誰に・・・それってお父さんって事?・・・」姉は言う。
「・・・そんな風になってる事ばれたら・・きっと・・・」
「「喜んでつれ返すか・・・あの親父なら・・」」
僕と姉は同じ事を言い、互いの顔を見つめ笑った。
「でも・・・決めたんだ・・・」姉は少しだけ寂しそうな顔をした。
「・・・決めたってなにを・・・」いきなり言い出した姉に僕はつい聞き返していた。
「・・・和美・・・驚かないって約束してくれる?・・・」姉はいきなり真剣な顔をして僕を見つめている。
「・・・約束は出来ないかも知れないけど・・・」姉の迫力に押され僕はついそう言っていた。
姉はまた僕の手を引き始めていた。
「ただいま・・・」姉はそう言ってドアを開けた。
・・・姉さん・・・一人暮しなんじゃ・・・・僕は姉の言葉に変な感じがして姉を見つめていた。
「あ・・・お帰りなさい・・・」内から声がして女性が出てきた。
「ただいま」姉はそう言って答えている。
僕はそんな姉を見つめ不思議に感じていた。
「・・・姉さん・・・一人暮らしだって・・・言わなかったっけ?・・・」僕は聞いたが姉は無視している。
「妹に会ったんでつれてきたの・・・」
「初めまして・・・・和美です・・・」姉につられそう挨拶している僕・・・
「晶の妹なんだ・・・」そう言って微笑んでいる女性・・・
「姉さん・・・この人は・・・」僕は小声でそう聞いた。
「私の彼女・・・・」
「え!・・・じゃあ、あの人は・・・姉さんの事・・・」
「・・・知っているわ・・・それに・・・」姉は笑った。
「それに・・なにさ・・・」
「私が”家元”の後継ぎだって事も・・・」
「じゃあ・・・言ったの?姉さん」
「・・初めにね・・・でも、どうでも良い事なんだ”俺達”には・・・」
「・・・どうして・・・」
「理由は・・・すぐに判るよ!・・・」姉はそう言って奥に入っていった。
オギャー・・・
そう言って入っていった姉に連動するかのように内から声がしてきた・・・誰が聞いても”赤ちゃん”の泣き声が・・・
「姉さん・・・まさかと思うけど・・・」
「和美には知って欲しかったんだ・・・」姉は赤ちゃんを連れて出てきた。
「姉さんの・・・子供・・だよね・・・」僕はそう言って赤ちゃんと姉を交互に見つめていた。
「当たり前だろ・・・和美はなにを言ってんだか・・・」
「・・・可愛いね・・・赤ちゃん・・・」僕はそう言って赤ちゃんの頬をつい突ついた。
赤ちゃんは僕を見てニコニコして口をモゴモゴ動かしている。
「・・可愛いー・・」そんな様子を見てつい僕も微笑みながら呟き、また赤ちゃんを突つく。
赤ちゃんはまたニコニコして僕を見る。
・・・姉さんの子供・・これが帰らない理由なんだ・・・赤ちゃんに微笑んだまま僕はそう思っていた。
・・・この子を見ていると他はどうでも良くなるか・・・僕は姉の顔を見上げた。
姉はなにも言わずに僕は見て微笑んでいた。
僕に遊ばれて疲れたのか、姉の腕の中で赤ちゃんは寝てしまった。
僕は姉から赤ちゃんを静かに受け取って抱いた。
「赤ちゃん可愛いだろ・・和美!」姉は僕にそう話掛ける。
「うん・・・姉さんの子供じゃないみたい・・・」僕は赤ちゃんを抱いたまま言った。
「・・言ったな・・でも赤ちゃんがいると楽しいぞ・・・」
「大変じゃないの?・姉さん」
「・・それ以上に楽しいよ・・和美・・」姉は言葉を詰まらせながら言う。
「遊びにいけないでしょ・・・」
「・・・それは・・赤ちゃんの見ているほうが楽しいから・・・」
「和美だって・・赤ちゃん可愛いって言ってたろ・・・」
「・・そうだね・・・」
「じゃあ・・和美も一緒に住もうよ!」
「・・・そうだ・・・え?・・・」僕は姉に振りかえった。
・・・なんだ・・・今の言いまわしは・・・姉さん・・・僕は姉を見つめ考える。
「・・・赤ちゃん可愛いよね・・・」僕はそう言って姉の顔を見つめた。
姉はニコニコしている。
「・・・面倒見たくないときも有るよね?・・・」僕はポツリ言った。
ギク!姉の顔にはっきりと動揺が出ている。
「・・・夜も関係なく子守りだし・・・」僕は続ける。
ギク!・・・段々と姉の表情が引きつってきていた。
「・・・お料理とか・・・いろいろさ・・・」
ギク!・・・
「・・・自分の小遣い無くなるし・・・」
ギク!・・・
「・・・遊びに行けないし・・・」赤ちゃんの頬を触りながらポツリ言う僕・・・
ギク!・・・
「・・・姉さん・・・」僕は姉を見つめた。
「・・・僕に子守りさせて・・・」
わざとらしくため息をついた僕。
「そんなんじゃないよ・・・和美・・・」姉は言い当てられて動揺しているのか、おかしな話し方だった。
「じゃあ、子守りしなくてイイ?・・」僕は姉を上目使いに見ていった。
姉は頷く。
「お料理しなくても・・・イイよね」
「もちろんよ・・・」
「約束破ったら父さんに言うけど・・・大丈夫だよね?」
姉は”父さん”の言葉に反応してただ頷くだけだった。
「はアー・・・良かった・・」
姉はハっとした顔で僕を見つめる。
僕の言いまわしにやっと気付いたのだろう、顔が引きつっていた。
「余り怒ると美容に悪いわよ・・・姉さん!」僕はそう言って笑った。
「・・・子守りもするし・・・」僕はそう言って姉の顔を見る。
「・・・・」言葉を失いただ僕を見つめ返している姉。
「・・・生活費も家賃も入れるから・・・」僕はそう続けた。
「心配しないでよ・・・姉さん・・」
姉はただ頷き僕を見つめた。
「僕だって監視された生活なんてイヤだしさ・・・」
「和美?・・・」
「だって”親の決めたアパート”なんて親の都合だもの・・・僕は関係無いから・・・」
「じゃあ・・・もしかして・・・」
「姉さんと一緒なら庇ってもらえるし・・そうでしょ・・・」僕はそう言って笑った。
「和美・・もしかして最初から・・・」
「でも・・・まさか赤ちゃんが出てくるとは思わなかったけどさ・・・」僕は赤ちゃんを抱き上げた。
「宜しくね・・・赤ちゃん・・」僕は赤ちゃんの頬にチュっとキスをした。
「・・・じゃあ、家に連絡してと・・・」僕はそう言って携帯電話を取り出した。
「あ・・・父さん、和美です・・・」僕は父に電話を掛け事情を話した。
「で・・・先生が”女のこ”の一人暮しはだめだって・・・ハイ・・・」僕は姉を見ながらそう電話に呟く。
”・・・判った・・・先生に替わってくれないか和美・・・・”父は”その先生”に興味を持ったようで僕にそう言って来た。
「・・・先生にですか?・・・」僕はそう聞き返す。
”・・・そうだ・・・挨拶しないとな・・・”父はそう言い、電話に出るように言う。
「・・替わって・・・」僕はそう言って姉に携帯を渡した。
「・・・お電話、替わりました・・・」姉はそれだけ言って、話そうとはしていない。
「・・・和美ちゃん・・・」しばらくして姉は僕に携帯を返した。
「父さん?・・・」僕はそう話掛けた。
”・・・頑張れよ・・・”そう言って電話は切られた。
僕はため息をつき携帯を仕舞った。
「好きにしていいってさ・・・和美ちゃん」姉もそう言って笑った。
「え・・・姉さん?・・・」僕は驚いて姉を見つめる。
「今の電話よ・・・」
「そんな・・・」
「うそ・・・」
「え・・うそ!・・・」
姉はそう言って笑った。
「さっきの・・し・か・え・し・・」
そんな姉につられ僕も笑うだけだった。
「明日から・・・”女の子”として恥ずかしく無いようにしごくからね・・・」姉はそう言って、布団を準備をしている。
「お手柔らかに・・・」僕はそう返事をして布団に入った。
さて・・・上手く恋人出来るかな・・・
そんな事を考えていたらいつのまにか眠りについていた・・・
4話へ続く
ども、mk8426です。今週の週刊「和美ちゃん」ですよ〜。
掲載間隔については変更の依頼がなかったので、当面このままで行きます。というか、掲載しても何の反応もないのは何故?
2004.02.25 mk8426