和美ちゃんスクールライフ

和美ちゃん 1話

作:kagerou6

 

・・・ここが今日から僕の・・・・通う学校か・・なのね・・
・・・言いづらいな・・・・やっぱり・・・
校舎を見上げながら僕は先週のことを思い浮かべていた。

 

「・・・和美(かずよし)さん、はしたないですよ・・・・」祖母は僕を見つけ、いきなり言い出した。
「・・・お祖母さま?何でしょうか・・・」僕は祖母に向い話をする・・・何がはしたないって!・・・

「・・・あなたは今、女の子なんですよ・・・」祖母は嘆く様に僕に話しかけてくる。

・・・しまった、忘れてたスカート・・・・僕は慌ててスカートを押さえた。
そして僕は祖母を見上げながら自分の迂闊さを呪った。
「・・・まったく貴方ときたら・・・」祖母の説教がまた始まった・・・クドクドと・・・
僕はそんな話を右から左へ流していた。
「・・・和美さん、貴方にはやっぱりこの家を継ぐことは無理の様ね・・・」祖母は溜め息と共に言葉を吐き出した。
・・・継ぐ事は・・・無理の・・え!・・・僕は祖母を見つめる。
「・・・いつまでたっても女らしさを理解できないのなら・・・この家を継ぐ事は・・・」
・・・家を継げない?・・・そんな・・・
「お祖母さま、私には・・・」僕は祖母に向って言う。
・・・家元になって女の子とあんな事やこんな事を・・・全部だめかー・・・僕は心の中で叫んでいた。
「継ぐ権利は無いと?・・・」祖母の目を見つめる。

「いつまでたっても女心を理解できないのなら、この歌舞伎の家元を継ぐ事は・・・・」

「・・・そんな事はありません!・・・」僕の未来が掛かっているのに・・・

「ホントですか?和美さん・・・」祖母は僕を疑うような目で見つめている。

「・・・ハイ・・・」僕は呟く。

「いいでしょう、その決意があれば・・・・でも・・・」祖母は僕を見つめ直す。
「やっぱり、和美さんには・・・・」また否定し出した!

「お祖母さま・・・大丈夫です!」僕は呟く。

「でも、和美さんの今までを考えると・・・・」祖母はまだ疑っている。
・・・そりゃ、今までスカートはいて鬼ごっこしたり男友達と喧嘩したり・・・
・・・だってそれは、家元が”おいしい”なんて知らなかったから・・・
僕は過去を思い出し少し反省していた。

「では?和美さん。テストをしましょう」祖母は何かを思いついたのかきっぱりと僕に話しだした。

「女心を理解する為に努力しますね!」

「・・・ハイ・・・」

「ホントですね?」

「・・・ハイ!・・・」

「では、恋人を連れてきてください!」

「・・・え!・・・」

「素敵な女の子なら素敵な恋人がいてもおかしくないでしょ」祖母はさらっと言う。

「そんな、僕が恋人?・・・男の?・・・・」僕は一瞬にしてパニクッた。

「・・・やっぱり、むりかしら?・・・」祖母はそんな僕を見つめていた。

「やっぱり、和美さんには女らしくなんて無理ね」祖母は笑い出した。

・・・プチ・・・僕の中で何かが切れた

「お祖母さま、恋人を連れてくれば良いのですね!」

祖母はそんな僕を驚いた顔で見つめる。

「・・・ええ・・」祖母はやっと呟く。

「判りました、素敵な彼氏を連れてきます!」

僕は肩で息をしながら祖母に言いきった。

「和美さん?わたくしは”恋人”といいましたのよ」祖母はそんな僕を見て話し出した。
「誰も男の子とか言ってませんわ」そう言って笑う。
僕はきょとんとして祖母を見つめていた。

「つまり、貴方の事を女の子と認めてくれれば男でも女でも良いのよ!和美さん?判りましたか?」

「お祖母さま、それって・・・」僕は意味がわからず聞き返す。
「つまり相手に拘らなくていいのよ」祖母はそう僕に言った。

 

「和美さん、昨日の事は覚えてますね!」翌日、祖母はそういって僕を”大広間”へ連れてきた。
大広間では、すでにに家族全員が集まっていて僕の事を議論していたみたいだ。
「母さん(祖母のこと)から聞いた、和美はそれでいいんだな!」父は、僕に言う。
「・・・ハイ・・・」僕は父に返事をする。

「判った、お前がそこまで決心したのなら何も言うまい」父はそういって黙りこんだ。
「和ちゃん、これを・・・」母は1枚の書類を差出した。
「これは?・・・」僕は母に聞く。
「転入届よ・・・」母はそう呟く。
「・・え!・・」僕は母の顔を見つめる。

「・・今の学校で女の子の姿を皆に見られたいの?・・」母はそう言う。
「・・・だからね、伯父さんに頼んで転入させてもらう事にしたの・・・」
「いいな!、和美」最後に父が僕を見つめる。
僕はただ頷いた。

 

僕は校長室に案内され校長(伯父)と面会していた。
「大きくなったな」伯父はそう言って僕を見つめる。
「伯父さん、お久しぶりです」僕はそう言って伯父に微笑む。
「うん・・ヤツから話は聞いている。歌舞伎の家を継ぐというのも大変なものなんだな」伯父はそう言って僕を椅子に勧めた。
僕は椅子に座って伯父の話を聞くことにした。

「ココは普通の高校だ、とり立てて優秀な生徒もいないが悪もいないノビノビした校風の学校と思って欲しい」
「ハイ・・・」僕は頷く。
「だから、君の事がばれるのが怖いんだ」
「そうですね」
「もちろん、今の君を見て男だと気づく者は少ないだろうが・・・」
「ハイ、気をつけます」

 

しばらく喋り込んでいるとドアが開いて一人の女性が入ってきた。
「和美ちゃん」その人は僕を見るなりそう言って僕に駆け寄ってきた。
「大きくなったのね、久しぶり」その人はそう言っていたが僕には判らなかった。
「あの・・・こちらの人は?」僕は伯父に顔を向け話し掛けた。
「ひどい、私のこと忘れちゃったの!」いきなりその人は泣き出した。
「スミマセン、私には・・・」僕はそう言って近づくといきなりその人は笑い出した。

「・・・え・・・」余りの事に気が動転した僕は伯父と女性を交互に見たが二人とも笑っている。
僕は余計に混乱していた。
「ま、仕方ないねこの格好じゃ・・・」女の人はいきなり話し方をかえた・・・まるで男のように・・・
「この格好って・・え!・・」僕はその人を見つめる。
「和ちゃん・・・俺だよ」とても似合わない口調で言い出す彼女。
僕はその言い方に思い当たる人物がいた。

「晶・・・兄さん?」僕はまさかと思いながら口にした。
彼女は静かに頷きそして僕の前に座った。
「兄さんなの・・・ホントに・・」目の前にいる人物がとても女形を嫌って家を飛び出した人物には見えなかったからだ。
「嫌っていたんじゃ・・あの・・そんな格好をすること・・」僕は兄を見つめながらつい言ってしまった。
「・・・その事・・・」兄は軽く受け流す。
「俺は堅苦しいのが嫌なだけってわかったのさ!」
「堅苦しいって?」
「つまり、女の子のかわいい格好はいやじゃないのよ」兄・・・姉?はそういってウインクする。
そんな姉?に僕はいすから落ちそうになってしまった。
・・・これが・・・あの兄?・・・
僕はイメージの壊れていく兄に思いをはせ頭を抱え込んでいた。

「そう言う訳で、君の担任は晶君が担当してくれる」校長はそう僕に話し掛けてくる・・・どんな訳だ?それは・・・
「和美ちゃん、宜しくね」兄・・・いや姉?はそう言って微笑む。
そんな二人の表情に僕は前途に暗雲が立ち込めてくるのを感じていた!
・・・こんな兄を見るためにここに来たんじゃない!・・・
僕はそういう眼で姉?を見つめたが何も感じていないせいかただ笑っている。

「あきら先生!」

校長室のドアが開き女子生徒が乱入?してきた。
「こらこら、校長先生の前ではしたないわよ」姉?はそういって女子達に注意する。

「だって、あきら先生のが転校してきたんでしょ!」一人の女の子がそう話し掛ける。
「そうよ」その子に向かってにっこり微笑む姉?
そして僕をその子達の前に押し出す。
「この子が私の妹の和美(かずみ)よ」そういって僕を紹介する!
「えー」「そっくり・・・」そんな声に囲まれ僕は俯いてしまった。
「この子、人見知りするの・・・あんまり騒がないでいて」そう言って説明をする。
「「「ハーイ・・・」」」声が合唱され、でも僕を囲む事を止めない!
「もうホームルームなんだけどな」姉(もう面倒だ!*作者)はそう呟いて校長に振り返る。
「じゃあ、センセ。この子は私が連れて行きますね」そう言って皆と僕を校長室より追い出す。

「ねえ、和美ちゃんて・・・」教室に着くのが待てないのか部屋を出たとたんまた聞き始める。
・・・あちゃ・・・僕は何も答えられずただ俯いていた。
そんな僕の態度に何やら気付いたのかボソボソ聞こえないように話し出し、そして笑い出す。

「先生の妹には見えない!」

と叫んで!

僕はそんな声を聞いて姉を見つめたが姉は知らん顔である。
何をやったんだこの人は・・僕は聞きたかったが廻りの雰囲気からそんな事を言えず、教室に着いた。

 

2話へ続く


どうも、mk8426です。kagerou6さんからビッグなプレゼントが飛び込んできました!
Westさんが多忙で更新が滞っており、これまでWestさんのところに掲載されていた「和美」をこちらで掲載できないかというお話が来たのです。
無論拒む理由はないので即OKしましたが、既掲載分をどうしようかということでWestさんの許可を待ち、その許可も下りたということなのでついに掲載を開始しました。
11話まではWestさんのサイトに掲載されていますが、それでも一気に掲載するのは何ですので1週間に1話ずつ掲載していこうと思っています。今何話まで手元にあるのかはないしょ(笑)。そこも含めて気長におつきあい下さいね。

2004.02.11  mk8426

感想はこちらへ

戻る